研究課題/領域番号 |
20K19519
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 日本女子体育大学 |
研究代表者 |
山川 啓介 日本女子体育大学, 体育学部健康スポーツ学科, 講師 (60783785)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 水泳 / バタフライ / 表面筋電図 / 筋シナジー解析 / 2次元動作分析 / コーディネーション / 3次元動作分析 / 筋電図 / 筋シナジー |
研究開始時の研究の概要 |
近代泳法の一つであるバタフライは,上肢・体幹・下肢の連動したコーディネーションが特に求められる泳法であるものの,「どのように筋肉を動かして泳動作を行えば良いか?」については深く議論がなされていない.近年報告されている筋シナジー解析は,スポーツ活動中の筋電図データから,その運動に関わる神経制御(筋コーディネーション)の解明に応用されている.そこで本研究課題では,表面筋電図を用いた筋シナジー解析を用いて,バタフライ泳中の筋コーディネーションを習熟度の違い,泳速度の違い,呼吸動作の影響の観点から分析し,バタフライの泳動作に関わる神経制御の特徴を解明する.
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研究実績の概要 |
本研究課題の目的は,バタフライの泳動作に関わる神経制御を解明することにより,熟練者の巧みな泳技能を筋活動の観点から明らかにして効果的な泳法指導やトレーニング方法に関する具体的な示唆を得ることであり,2022年度までに予定していた全ての実験を実施することを計画していた.2022年度においては,予定していた実験を5月に終了し,現在は得られたデータの分析を進めている.本年度は,その他の研究課題のデータ分析を進め,国内外の学会で発表することを予定している. また,熟練者と非熟練者における全力バタフライ泳時の筋シナジー解析の比較結果は既にまとまっており,次のような知見を得た:1)上肢・体幹・下肢の12筋から抽出したシナジーの数は,熟練群と非熟練群の両方で4であり,群間で差は示されなかった,2)熟練群における筋シナジー1から3は上肢ストローク動作に関わるシナジーであり,筋シナジー4は下肢キック動作に関わるシナジーであったことが示唆された,3)非熟練群における筋シナジー1から3は熟練群と同様の動作に関わるシナジーであったと考えられたが,筋シナジー1および2では下肢の蹴り下げ動作に関与する筋が含まれており,筋シナジー2では上肢と下肢の筋を同調させて機能させていることが示唆された.また,筋シナジー 4は個人差の影響で一様な機能を示していないシナジーであった,4)筋シナジー解析の結果から,熟練群は上肢と下肢の筋を別々の神経制御で機能させていることが示唆され,筋シナジー4の活性タイミングと泳者の加速タイミングが一致していたことから,筋シナジー4は全身のうねりを利用した効率的なバタフライ動作に重要な役割を果たしている可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた実験を年度初めに実施することができ,早々にデータ分析に着手することができている.データ分析手法に課題も年度内に解決することができ,今後はよりスピーディにデータ分析を進めることが見込まれている.
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は,当初の計画に対して概ね順調に進めることができている.今後は得られたデータをまとめて,国内外での学会発表を行い,国際誌への論文投稿を目指す.また,本年度は水泳の国際学会であるXIVth INTERNATIONAL SYMPOSIUM ON BIOMECHANICS AND MEDICINE IN SWIMMINGがドイツ・ライプツィヒで開催されるため,そこで海外の情報収集を積極的に行い,今後の研究活動に活かしていきたい.
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