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全身の力学的エネルギー変化の定量を通したスポーツ障害予防法の提案

研究課題

研究課題/領域番号 20K19521
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分59020:スポーツ科学関連
研究機関東京大学

研究代表者

川本 裕大  東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (10828677)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
キーワードスポーツ障害 / 関節負荷 / 肘関節内外反トルク / シミュレーション / ツイスト動作 / ラケット速度 / 肘関節外反トルク / グラウンドストローク / テニス / 逆動力学 / 負荷 / エネルギー / フォアハンドストローク / バイオメカニクス / モーションキャプチャ
研究開始時の研究の概要

スポーツの継続は生活習慣病や介護の予防につながり、増加し続ける医療・介護費を抑制する。ただし、特定の部位に大きな負荷がかかる誤った動作でスポーツを続けると、慢性的な痛みが生じてしまい、日常動作が困難となる場合もあるため、障害の原因を究明しその予防法を確立する必要がある。これまで障害の起きる関節や隣接する関節の使い方に着目して障害の原因が調べられてきたが、動作は全身の各関節の連動により生み出されるため、離れた関節の使い方が障害の原因となっている可能性がある。本研究においては全身の動作解析を通して、関節への負荷が大きくなる原因を明らかにし、介入実験を通して科学的根拠に基づいた障害予防法を確立する。

研究実績の概要

本研究は、グラウンドストローク動作を対象に、全身の動作解析を通して関節への負荷が大きくなる原因を明らかにして、スポーツ障害の予防法を確立することを目的としている。
これまでに、概して大きなラケット速度を生み出す被験者ほど、肘の内反トルクが大きいことを明らかにすることができた。一方で、ラケット速度が大きいほど、大きなボール速度につながるため、ラケット速度はグラウンドストロークのパフォーマンス指標のうちの1つといえる。つまり、複数の動作の関節負荷を比較する際に、ラケット速度が異なる状態でそのまま比較するのは公平ではないと考えられる。そこで、ラケット速度を一致させて比較することで同じパフォーマンスで関節負荷の少ない動作を明らかにすることができるといえる。しかしながら、実験でラケット速度を規定するように教示すると、動作自体が不自然になる可能性がある。そこで、当該年度はシミュレーションを用いて生み出した動作をラケット速度が同じになるように動作時間を補正し、肘の内外反トルクの比較を行った。
昨年度までに、ボールを打撃する直前において、体幹をその長軸まわりに打撃方向と逆向きに回転させるトルクを大きくすることにより、ラケット速度が大きくなることを明らかにしていた。そこで、当該年度においては、体幹の逆回転のトルクを増加して生成した動作のラケット速度を、体幹のトルクを変更していない動作のラケット速度と合わせたうえで、肘の内反トルクを比較した。体幹の逆回転のトルクを増加すると肘の内反トルクが減少することが明らかになった。つまり、インパクト前に体幹をその長軸まわりに打撃方向と逆に回転させる力発揮を増加させることを意識しつつも、ゆっくりと動作することで肘の負荷を低減させることができる可能性があることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の予定では、負荷を低減するメカニズムを明らかにし、介入実験によって負荷が実際に低減するかを明らかにすることを計画していたが、そもそも、肘関節の負荷を低減させる方法を発見することに多くの時間を要してしまっていた。しかし、シミュレーションや動作時間を補正するプログラムを地道に進めたことにより、遂に負荷を低減させる方法を1つ発見することができた。運動方程式や関節の拘束式を用いて、関節負荷を求める式を立式して解析することで、関節負荷が変化するメカニズムに迫ることができるため、負荷が低減するメカニズムについてはすぐに明らかにできると考えられる。また、メカニズムが明らかになれば、負荷低減に関する指導法もすぐに考案できると考えられる。次年度はそれらの研究を進めて介入実験を実施し、最終的にはスポーツ障害の予防法を提案する。

今後の研究の推進方策

負荷を低減する動作は複数存在すると考えられる。その中でも負荷を低減する度合いの大きい動作がスポーツ障害を予防する方法として提案されるべきである。これまでの研究成果として、体幹をその長軸まわりに打撃方向に回転させるトルクを増加した場合や、動作前にクロスオーバーステップを行った場合にラケット速度が増加することが明らかにされており、これらの動作に関しても、体幹のトルクを変更していない場合や助走を行わない動作と比較することで肘内反トルクが減少する可能性がある。
今後はまず初めに上述の変更による肘内反トルクの変化を定量し、肘の負荷を低減する度合いが大きい動作を明らかにする。また、運動方程式から、受動トルクの発生要因を考察することができるため、受動トルクがどのようなメカニズムで肘関節の負荷を低減させるかについて明らかにしていく。さらに、介入実験を通して、メカニズムを作用させるように指導した際に実際に負荷が低減するかを明らかにする予定である。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023 2022 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Poor Joint Work in the Lower Limbs during a Tennis Forehand Groundstroke after a Cross-Over Step Inhibits an Increase in the Racket Speed2024

    • 著者名/発表者名
      Yuta Kawamoto, Takahito Suzuki, Yoichi Iino, Shinsuke Yoshioka, Daisuke Takeshita, Senshi Fukashiro
    • 雑誌名

      Journal of Human Kinetics

      巻: -

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] グラウンドストロークにおける体幹の上下軸まわりのトルク増加がラケットスピードに与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      川本裕大, 竹下大介, 吉岡伸輔.
    • 学会等名
      第35回テニス学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] グラウンドストロークにおいて身体全体を打撃方向に大きく移動させるという教示がラケットスピードに与える影響2022

    • 著者名/発表者名
      川本裕大, 吉岡伸輔
    • 学会等名
      第34回テニス学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] テニスのフォアハンドストロークにおける打点位置の差異に応じた打具速度獲得のメカニズム2020

    • 著者名/発表者名
      谷建孝、川本裕大、須藤佑介、飯野要一、吉岡伸輔
    • 学会等名
      東京体育学会第12回大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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