研究課題/領域番号 |
20K19528
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 大阪国際大学 |
研究代表者 |
谷川 哲朗 大阪国際大学, 人間科学部, 准教授 (90615452)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 視覚障がい者 / 水泳 / ターン / スキル / タッピング / タイミング / 泳速度 / ストローク / 移動距離 / 視覚障がい |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,視覚障がい者の水泳スキルおよび水泳周辺スキルを評価し,視覚障がい者の競技力向上の方法とそれに応じたタッパーのサポート方法を明らかにする.視覚障がい者が運動を行う際には,障害物にぶつかるなどの恐怖心から,全力で運動が行えない可能性がある.本研究により,視覚障がい者が安全かつ速い速度で泳ぐ指導やサポートの方法をタッパーに指導できる指標が作成できる.
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研究実績の概要 |
健常者がクロールのターンを行う場合、矢状面状に回転(前転)して方向転換を行うタンブルターンを選択する。視覚障がい者の場合、タッパーのタッピングを頼りにターンするタイミングを図るため、失敗する可能性が高い。タッピングが遠すぎると、ターンするタイミングが早くなり、足が壁に届かない。タッピングが近いと、足ではなくお尻や背中で着壁することとなり、タイムロスが生じる可能性が高い。このように、視覚障がい者がタンブルターンを行う場合はリスクが大きい。一方、水平面状に回転して方向転換を行うオープンターン(主に平泳ぎで使用)は、タッピング後に泳者が手で壁に触れてからターンを行う。そのため、タンブルターン時のようなリスクが低い。本研究では、視覚障がい者におけるクロール泳時のタンブルターンとオープンターンの有効性を検証することを目的とした。 対象は、パラリンピック出場経験がある全盲の視覚障がい者女子1名を対象とした。試技は8.5m、9mまたは9.5m地点から壁面に向かってクロール泳で泳ぎ、ターンを行った後、5m地点まで水中ドルフィンキックの最大努力泳を行うこととした。ターンはタンブルターンとオープンターンの2種類とした。この2種類のターンを各6回、計12回実施した。撮影は、水中カメラ(シャッタースピード1/250秒、サンプリングレート60Hz)1台を使用した。測定項目は、ターン前の最後の指尖部の入水時からターン後のキック開始時までの速度(ターン速度、m/s)とした。タンブルターンとオープンターンのターン速度の差の検定には対応のあるt検定を行った。なお、有意水準は5%とした。 本研究の結果、ターン速度はタンブルターン(2.23±0.27m/s)がオープンターン(1.88±0.09m/s)よりも有意に速かった(p=0.02)。パラリンピック出場経験がある選手ではタンブルターンが有効であることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一昨年度から新型コロナウイルスの影響により、対象者のスケジュールおよび使用施設の使用制限等が生じ、測定ができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
対象者のオープンターンは、左手で着壁したにも関わらず、全て左方向に回転していた。これは非常に回転しにくいと想定される。着壁した手に応じて回転する方向を変更することで、オープンターンの技術が向上する可能性がある。また、後天性の視覚障がいを想定し、健常者がブラックゴーグルを着用して全盲選手の状態を模して実施する場合や競技歴の低い選手が行った場合には結果が異なる可能性がある。以上のことから、追加の検証が必要である。
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