研究課題
若手研究
我々ヒトの体のかたちは一人一人が持つ遺伝情報の発現に加え,一人一人が育った環境,運動経験などから受けた影響の総和として捉えることができる.近年,形態計測において3次元人体計測装置が開発され,従来のソマトタイプの体型分類やテープメジャー,マルチン式計測による形態計測とは異なる部位や次元でヒトの体のかたちを客観的,数量的に評価することが可能となった.そこで本研究は従来の手法ではなく,幾何学的形態測定学に基づく相同モデルという新しい視点のアプローチで,① 競技や種目に特化した形態的特徴,②肥満体型の形態的特徴,③加齢および発育発達に伴う形態的特徴を定量的に明らかにすることを目的とする.
本研究は、幾何学的形態測定学に基づく相同モデルという新しい視点のアプローチで体の「かたち」を評価し、相同モデルを用いて決められた測度だけの特徴や評価に捉われない体の「かたち」の特徴や多様性を明らかにすることを目的とした。その結果、競技による専門トレーニングが特異的な筋の発達を促し、競技や種目特有の特徴が存在することが明らかとなった。また、女子大生の体の「かたち」の特徴は、身体組成変数が同値であっても一様ではなく、多様性が示された。このことから、3次元人体形状相同モデル法は、従来のサイズ計測や「かたち」の表示だけでは検出できない、より詳細な体の「かたち」の特徴を明らかにすることが可能となった。
本研究では、従来のサイズ計測や「かたち」の表示だけでは検出できない、より詳細な体の「かたち」の特徴を明らかにすることができた。本研究の結果は、スポーツにおいて一線級レベルに到達するためには特定の体幹部の「かたち」が必要であること、また、相同モデルを用いることで、形態計測では得られない体の「かたち」の詳細が明らかになることを示唆するものである。このことから、健康・スポーツ研究のための相同モデルを用いた形態計測の新たな視点を提示することが可能となった。この手法は、「かたち」を定量化するための新たな測定値を抽出する機会を開くものである。
すべて 2023 2022 2020
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件)
日本基礎教育学会
巻: 27 ページ: 89-94
体育学研究
巻: 67 号: 0 ページ: 699-714
10.5432/jjpehss.22010
地域連携共同研究所年報
巻: 第5号 ページ: 69-79
日本基礎教育学会紀要
巻: 25 ページ: 55-60
40022595507