研究課題/領域番号 |
20K19559
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
小松 知広 福岡大学, 医学部, 講師 (80838756)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 中性脂肪 / 運動 / 骨格筋 / アポリポ蛋白C2 / 高脂肪食 / 脂質代謝メカニズム |
研究開始時の研究の概要 |
運動は、骨格筋を介して健康へ貢献している。一般人と比較して糖尿病患者の骨格筋で脂質が多いが、一方でアスリートの骨格筋でも脂質が多いというアスリートパラドックスと呼ばれる逆説的な事象が知られるなど、骨格筋での脂質代謝は未だ不明な点が多い。そこで、脂質代謝に関係する中性脂肪低下作用を有するアポ蛋白C2に注目し、本研究では、細胞・動物での運動モデル実験から骨格筋でのアポ蛋白C2を介した脂質代謝メカニズムの解明、またアポ蛋白C2投与による骨格筋での脂質代謝・エネルギー代謝への影響を検討する。将来的に、新たな脂質代謝機構を介して運動効果を享受できる創薬に結びつく可能性がある。
|
研究成果の概要 |
本研究は、C2C12マウス筋芽細胞、ヒトiPS細胞由来骨格筋細胞、野生型マウスの骨格筋において、これまで存在が報告されていない脂質代謝因子アポリポ蛋白C2の存在を明らかにした。さらに、野生型マウスを回転ホイールで自発運動させると、運動後に血液中で中性脂肪低下、骨格筋でアポリポ蛋白C2増加を見出した。しかし、骨格筋でこの脂質代謝機構について、リパーゼを中心に検討したが解明に至らなかった。ヒトリコンビナントアポリポ蛋白C2を野生型マウスへ投与すると、自発的運動と同様に血液中の中性脂肪が低下し、骨格筋のアポリポ蛋白C2発現が増加傾向を示し、これらの結果は運動を模倣した効果であることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、血液中のリポ蛋白に存在し脂質代謝因子(特に、中性脂肪分解)として知られるアポリポ蛋白C2が骨格筋に存在することを初めて明らかにした。さらに運動に伴い血液中の中性脂肪が低下し、かつ骨格筋でアポリポ蛋白C2が増加することが明らかになった。アポリポ蛋白C2を野生型マウスに投与すると、血液中の中性脂肪と骨格筋アポリポ蛋白C2が運動後と同様な傾向を示した。アポリポ蛋白C2と関連する骨格筋の脂質代謝機構が未解明であるが、これらの結果から、将来的に骨格筋でこの新規脂質代謝機構を解明することで運動効果を享受できる創薬に結びつく可能性がある。
|