研究課題/領域番号 |
20K19564
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
|
研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
藤本 知臣 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (70847798)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 運動時低体温症 / ふるえ / 温度感覚 / TRPM8 / TRPV1 / オープンウォータースイミング / 皮膚温度感受性 / 皮膚冷感受性 / 寒冷順化 / 局所皮膚温度感覚 / メントール / 低体温症 / TRPチャネル / 皮膚温度感覚 / カプサイシン / 運動パフォーマンス / 低体温 / 温度感覚受容器 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、競技人口が増加している屋外水中スポーツは低水温環境下で行われる。低水温環境下での持久的運動時には、ふるえによる過度な代謝の増加が運動パフォーマンスを制限する。ふるえは深部体温の低下だけでなく、皮膚からの冷刺激入力によっても生じることから、皮膚の温度センサーからの冷刺激入力を抑制することができれば、低水温環境下における運動時の運動パフォーマンスを高めることができるかもしれない。そこで本研究では、運動中に生じるふるえの調節メカニズムの1つとして考えられる皮膚温度センサーの働きに着目し、低水温環境下での運動パフォーマンス改善のための方策を検討する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、冷水環境下で生じるふるえや温度感覚の悪化に対する皮膚温度受容器 (TRPM8およびTRPV1) や皮膚温度感受性がどのように関連しているか、また、それらが寒冷に対する順化によってどのように適応するかを検討した。 その成果として、1) 冷水温環境下での運動時の温度感覚には皮膚の冷感受性 (冷たさに対する敏感さ) が関与しており、冷たさに対して敏感なほど冷水環境下での運動後に寒さを感じること、2) 皮膚の冷感受性は一般健常人よりも寒冷に順化していると考えられるオープンウォータースイミング選手において鈍化している傾向が明らかとなった。一方、皮膚温度受容器に関しては更なる検討が必要である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
寒冷環境下での運動中には体温低下に伴うふるえや温度感覚の悪化が運動パフォーマンスの低下や競技の中断につながる。本研究より、冷水環境下での運動中には深部体温にかかわらず強く寒さを感じる場合があり、それには皮膚の冷感受性の高さ (皮膚の冷たさに対する敏感さ) が影響していることが示唆された。また、健常人よりも寒冷に適応していると考えられるオープンウォータースイミング選手では皮膚の冷感受性が鈍化傾向にあったことから、寒冷環境下での運動時のパフォーマンスの改善や競技中断を減らすためには、寒冷順化が有効な方策となりうるかもしれない。今後は、寒冷順化に伴う皮膚温度受容器の関連を詳細に調べていく必要がある。
|