研究課題/領域番号 |
20K19565
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
島 孟留 群馬大学, 共同教育学部, 講師 (60846377)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 2型糖尿病 / 海馬 / 運動 / miRNA / miR-Seq / 学習・記憶機能 / 乳酸 / 情動認知 / モノカルボン酸トランスポーター |
研究開始時の研究の概要 |
Ⅱ型糖尿病は、海馬が司る学習・記憶機能の低下を招く。近年、学習・記憶機能を維持する脳機構として、海馬の乳酸輸送担体2(MCT2)を介した乳酸輸送が示されており、申請者はこれまでに、習慣的な運動がⅡ型糖尿病動物の海馬のMCT2を回復させると同時に学習・記憶機能を改善することを明らかにした。本研究では、運動効果の顕現におけるMCT2の重要性とともに、網羅的な遺伝子解析によりMCT2を中心とした海馬の乳酸輸送機構が変容するメカニズムの解明に迫ることで、Ⅱ型糖尿病の学習・記憶機能の改善に向けた分子標的の提案を目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究では、習慣的な低強度運動が2型糖尿病動物(ob/obマウス)で低下した学習・記憶機能、海馬のMCT2やmiRNAに及ぼす影響を検討した。その結果、習慣的な低強度運動が、ob/obマウスで低下していた記憶機能と海馬Mct2 mRNA量を改善することを明らかにした。miR-Seqにより、海馬内のmiRNAを網羅的に解析したところ、低強度運動によって発現が反転した2型糖尿病の海馬miRNAは、9種類あった。これらの内、miR-200a-3pはMct2の発現に関わることから、低強度運動はmiR-200a-3p/Mct2の制御を通じて、2型糖尿病の記憶機能を改善する可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通じて、2型糖尿病に伴い低下する認知機能の海馬内機構や運動効果の標的候補が見出された。薬理学的な操作を含む更なる研究を積むことで、認知機能の維持を目的とした治療標的としての有用性や、最適な運動処方を提案することにつながりうる。加えて、運動効果という生理的な生体反応を基盤として、2型糖尿病の海馬を保護する、全く新しい運動擬似薬の開発につながる可能性もある。
|