研究課題/領域番号 |
20K19569
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小見山 高明 大阪大学, 全学教育推進機構, 講師 (20827688)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 運動 / 脳機能修飾効果 / 視覚並列情報処理 / 視知覚 / 視覚性マスキング / 脳波 / 認知機能 / 並列情報処理 |
研究開始時の研究の概要 |
一過性の運動中には脳機能は影響を受けることが明らかとなっているが,そのメカニズムについては依然として解明されていない.本研究では,脳は視覚属性の異なる情報を別々の経路で並列的かつ段階的に処理する機構(並列階層処理)を有しているという神経科学的知見を利用し,知覚から認知の成立過程に至る情報処理に対して運動がどのように影響しているかを検証することにより,運動のもたらす脳機能修飾効果の神経科学的機序を明らかにする.
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研究成果の概要 |
運動は脳機能に影響することが多くの研究により明らかとなっている.しかしながら,運動がなぜ,どのように脳機能に影響しているかといったメカニズムについては未だ解決されていない.そこで本研究では,脳の並列情報処理機構に着目し,運動による知覚-認知の過程における情報処理過程・経路への影響を検証を行った.その結果、①運動は視覚情報処理の過程や経路に対して特異的な修飾効果をもたらすことにより脳機能を改善させること,②視知覚の改善効果は,視対象の周囲の情報処理を抑制することで起こる可能性があること,③運動による脳活動の増加は,閉眼を行った際には脳領野特異的に相乗的な増加が起こることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで運動と脳機能との関係について調査した研究では,脳機能自体をブラックボックスとして捉えてきたために,運動がなぜ,どのように脳機能に影響しているかという根本的な問題については解決されてこなかった.本研究はこの点に対して,脳情報処理に着目し,その情報処理経路における特性の違いを利用することによって,脳活動あるいは脳機能に対する運動効果は一様ではない可能性を明らかにした.この結果は,脳機能に対する運動効果のメカニズムの解明に役立つ重要な情報となり,同時に運動により脳機能を高めるためには画一的な運動処方ではなく,脳機能ごとの“テーラーメイドの運動処方”が必要であることを示唆している.
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