研究課題/領域番号 |
20K19570
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
渡邊 大輝 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 助教 (30823281)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 骨格筋疲労 / S-gluathionylation / スキンドファイバー / 活性酸素種 / 筋小胞体 / 筋原線維 / S-glutathionylation |
研究開始時の研究の概要 |
骨格筋疲労はスポーツパフォーマンスおよび日常活動を制限する主な因子である.申請者は,これまでの研究で,トロポニンIのS-glutathionylation(タンパク質とグルタチオンが架橋構造を形成する反応のこと)が筋疲労を軽減する効果を持つことを発見した.本研究では,S-glutathionylationを促進させ,筋疲労を軽減させる方法を開発することを目的とする.そのために,まず,グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(S-glutathionylationを触媒する酵素)の活性亢進を引き起こす物質を同定し,生体内におけるその物質の効果を検討する.
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研究成果の概要 |
トロポニンIのグルタチオン化には骨格筋疲労を軽減する効果があることが近年明らかとされてきた.本研究では,グルタチオン化を触媒する酵素であるグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)活性を変化させる化合物を同定することとした.本研究の結果,インドール-3-カルビノールがGST活性を大きく低下させること,グルタチオン化を抑制すると筋疲労の回復が遅延することが明らかとなった.本研究では,GST活性を高める化合物の発見には至らなかったが,今後検討を継続することで新たな筋疲労抑制物質の発見につながると期待される.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,グルタチオン(GSH)化による骨格筋疲労の抑制効果を高める化合物の開発を試みた.結果的には,そのような化合物の発見には至らなかったが,GSHの筋疲労に対する役割を詳細に検討できた.本研究では,GSHは,1) 筋疲労を迅速に回復させる役割があること,2) 疲労発生初期においては,GSHには正の効果だけでなく負の効果もあることを示した.これらの結果は,GSHを用いた治療の有用性を示すとともに,その負の面も示しており,今後の筋疲労の治療法に対して新たな基盤を提供したものと考えられる.
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