研究課題/領域番号 |
20K19579
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
松下 宗洋 東海大学, 体育学部, 講師 (20758594)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | スポーツ格差 / 子ども / 青少年 / スポーツクラブ・運動部加入 / 等価年収 / スポーツライフ・データ / 健康格差 / スポーツ実施率 / 社会経済的地位 / スポーツ / 格差社会 / 社会疫学 / 行動科学 |
研究開始時の研究の概要 |
健康格差の縮小は公衆衛生上の重要課題の一つである。日本においても社会経済的地位(所得、学歴、職種等)による身体活動格差があり、特にスポーツ(余暇における身体活動)に顕著な格差がある。そこで本研究はスポーツライフ・データを用いることで、社会経済的地位別のスポーツ活動内容(頻度、種目、場所など)の違いや、ここ10年間におけるスポーツ格差の推移(拡大・縮小)を検討する。これらの研究成果をもとに、今後のスポーツ格差を解消するための提案を行っていく。
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研究実績の概要 |
今年度は、子ども・青少年において運動・スポーツ実施の主要な機会であるスポーツクラブ・運動部への所属と、世帯の等価年収との関連を検討した。 本研究には、笹川スポーツ財団が実施した子ども・青少年のスポーツライフ・データ2021を用いた。解析対象者は1,968名(未就学246名、小学生908名、中学生405名、高校生409名)であった。目的変数はスポーツクラブ・運動部加入状況、説明変数は等価年収であった。等価年収は、保護者から世帯年収の回答を得て、世帯人数の平方根で除して算出した。得られた等価年収の値を四分位し、さらに3群(Q1:下位25%未満、Q2:下位25-50%、Q3-4:上位50%以上)にカテゴリー化し、分析に用いた。共変量には、性、学年、居住地の都市規模、主観的健康感(中学生および高校生のみ)を用いた。統計解析には、ロバスト標準誤差を推定したポアソン回帰分析を用いて、スポーツクラブ・運動部の加入割合比およびその95%信頼区間を算出した。統計解析は、学校期で層別して行った。 学校期別のスポーツクラブ・運動部加入の割合は、未就学児45.1%、小学生63.4%、中学生72.6%、高校生45.0%であった。加入割合が最も高いスポーツクラブ・運動部の種類は、中学生と高校生では学校の運動部であり、未就学児と小学生では民間のスポーツクラブであった。共変量調整後のスポーツクラブ・運動部加入割合比は、中学生と高校生では等価年収と有意な関連はなかったが、未就学児と小学生では等価年収が低いグループでスポーツクラブ・運動部加入割合比が有意に低かった。 中学生と高校生で等価年収とスポーツクラブ・運動部加入の有意な関連がなかった原因として、中学生と高校生のスポーツクラブ・運動部の加入割合で運動部活動が最も多いことから、学校の運動部活動は世帯年収によるスポーツ格差を是正に貢献している可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の遅延の原因は、1)研究代表者のその他の業務の多忙、2)研究遂行に想定以上に時間を要したことにある。特に、研究の進展に伴い得られた知見に基づいて必要となったスポーツ格差の実態を詳細に検討することを目的としたインターネット調査を計画しており、その調整に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策については、以下の2点である。1点目は、本研究の一連の研究によって得られた知見に基づき必要となったインターネット調査を実施すること。2点目は、次年度が最終年度となるため、得られた成果を学会発表や論文などによる発信を充実させることである。
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