研究課題/領域番号 |
20K19598
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
加納 岳拓 三重大学, 教育学部, 准教授 (50734810)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 協調的スキル / 身体運動 / 体育科 / 教室授業 / 役割 / 体育授業 / 意図の共有 / 連携 / 応答 / 協調 / 発話 / 視線 / 連携技能 / ゲーム領域 / 相互調整 |
研究開始時の研究の概要 |
他者との関係の構築は,生後間もない反射から始まり,感覚運動行為を通して自分の経験と他者の経験との関係を認識することへ発展していく。本研究では,体育授業のゲーム領域における身体的な連携技能が,教室授業における他者の課題の進捗状況や他者との関係性に気を配りながら進めるといった相互調整(共調整:co-regulation)にどのような影響を及ぼすかを検討することを目的とする。目的の達成によって,「学びに向かう人間性」(文部科学省,2018)にもかかわる他者との相互調整という観点から,各教科にもつながる体育科の意義を提示する。
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研究成果の概要 |
体育授業において二者の連携が必要な鬼遊びと,教室授業中のペア活動の行為を分析した結果,鬼遊びで仲間の守備者へ注意が向かず自由に動き回る傾向の児童やペアは,教室授業でのペア活動を「自分の考えを伝える場面」と捉えていること,反対に,鬼遊びで失点を少なくするために,お互いの位置や動きを気にしながら動く児童やペアは,教室授業のペア活動を「互いの考えを共有する場面」と捉え,お互いの考えを聴く行為をとることができることが明らかとなった.このことは、他者と意図を共有し、行為を調整することは,目の前の課題を二者が協調して解決することが必要な場面では,活動の種類を問わず共通するスキルであることを意味する.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
他者と意図を共有し行為を調整するという協調のために「相手に応じる」「役割を切り替える」スキルが身体的課題と認知的課題に共通し、かつ他者との協調の基盤に身体があることを考えると、小学校1年生から高校3年生まで唯一の必修教科である体育科が,人間特有とされる他者との協調的スキルの育成に向けて重要な機能を果たす可能性を有している。すなわち、先人が他者と感情や意図を共有し、尊重し合う中で文化や社会を発展や継承するという人間らしく生きることに向けて、体育科が他の教科や活動を支える「基盤教科」として位置づくと示したことが本研究の意義である。
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