研究課題/領域番号 |
20K19606
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
藤川 和俊 帝京平成大学, 人文社会学部, 講師 (80803361)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 体操科 / 学校体育史 / 郷土 / 授業 / 実践史 / 運動技術 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、日本の体操科が批判されていたにもかかわらず運動技術を追求していた要因を検討、考察することである。具体的には、理念や環境の異なる学校を複数抽出したうえで、各学校が体操科指導についてどのように考えていたのか、どのような教材をどのように指導していたのかを明らかにする。以上の課題を通して体操科が運動技術を追求していた要因を明らかにし、現代の学校体育における運動技術の学習について考える基礎的資料を提示する。
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研究実績の概要 |
今年度もCOVID-19の影響を考慮し、小学校を対象とした調査は見送ることとした。したがって、昨年度までと同様、公立図書館および大学図書館を中心に調査を行い、学校文書や地方教育雑誌記事の収集を行った。主な調査機関は福岡県立図書館、和歌山大学図書館、和歌山県立図書館、茨城県立歴史館、群馬県立図書館などである。 これまでの史料収集状況を踏まえ、今年度は1930年代の福岡県八幡尋常小学校における体操科についての検討、考察を中心的な課題とした。天神小は、工業都市八幡の大気汚染や騒音が心身に与える影響を考慮するとともに、八幡の主要産業である重工業を担ううえで必要な身体の育成を目指していた。また、天神小はこうした目的に基づいて教材の郷土化を試み、「調斉力修練教材」、「体育ダンス教材」、「団体訓練教材」の三つを重視する教材として掲げていた。実際の教材配当においては、特に唱歌遊戯、行進遊戯教材が特徴的であり、学校体操教授要目にない教材を計23教材加えていた。一方、倒立及転廻運動や懸垂運動等の「調斉力修練教材」については、独自の教材はみられなかったものの、要目より早期に配当していた。しかしながら、1936年の要目改正に伴い、天神小の教材配当は「要目厳守主義」へと変化したことが明らかになった。また、1937年を境として、国防に向けた体位向上が主たる課題となっていった。 なお、こうした研究成果を12月に開催されたスポーツ史学会の学会大会にて口頭発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響により小学校での調査が難しく、予定していた史料収集が行えなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度が最終年度であるため、これまでできなかった小学校での史料収集を行いつつ、和歌山県及び茨城県内小学校における体操科の郷土化を中心的な課題として史料の分析を進める。
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