研究課題/領域番号 |
20K19641
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
藤巻 慎 熊本大学, 発生医学研究所, 助教 (10795678)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 筋萎縮 / 血管内皮細胞 / Dll4-Notch2軸 / Notch2 / Dll4 / Notchシグナル / 臓器連関 |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢化や生活習慣病の蔓延によって、要介護者が増加している我が国において、骨格筋量を調節するメカニズムの解明は、加齢に伴う筋萎縮(サルコペニア)やそれと重複して起こる廃用性筋萎縮・糖尿病性筋萎縮の治療方策を講じる上で極めて重要な課題である。本研究は、筋組織だけを対象にして実施されてきた従来の骨格筋研究に「臓器連関」という新たな視点を加え、筋萎縮を制御する新規分子基盤の構築を目指す。本研究の成果から、骨格筋量の調節機構が明らかになることで、それを標的とした筋萎縮の予防・治療方策の開発が進み、介護予防や健康寿命の延伸につながることが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究は筋萎縮の引き金となる上流メカニズムを解明することを目的に実施した。その結果、不活動や糖尿病といった状態下において、毛細血管を構成する血管内皮細胞からNotchリガンドであるDll4が放出され、筋線維に発現するNotch2を活性化させることで筋萎縮を誘導する「血管Dll4-筋Notch2シグナル軸」を発見した。遺伝子改変マウス、中和抗体、低分子化合物などを用いて、このシグナル軸を阻害することで、不活動や糖尿病による筋萎縮を抑制できることに加え、過負荷刺激にともなう筋肥大応答を増強させることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまで通説となっていた「Notch = 幹細胞」という考え方を打破し、成熟した筋線維におけるNotchシグナルの機能を明らかにしたことで、Notchの研究に新たな展開を生む新規性の高い知見である。また本研究成果は、血管が酸素や栄養素を末梢に運ぶ単なる輸送担体ではなく、直接的に筋量調節を行う機能を有していることを示しており、骨格筋研究のさらなる発展に寄与しうるものである。本成果をさらに深めることで、各種筋萎縮症に対する治療法開発や創薬応用を実現したいと強く考える。
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