研究課題/領域番号 |
20K19648
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
橋本 良太 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60433786)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | ビタミンB2 / マクロファージ / 酸化LDL / 動脈硬化 / 酸化LDL / 泡沫化 |
研究開始時の研究の概要 |
ビタミンB2は、肌あれ・口内炎のみならず、動脈硬化の原因になる高コレステロール血症を改善するためにも使用されている。しかしながら動脈硬化を改善するという報告はなく、ビタミンB2が動脈硬化を増悪させる何らかの作用を併せもつ可能性が示唆されていた。本研究では、「ビタミンB2がマクロファージの泡沫化を促進することで、コレステロール濃度降下による抗動脈硬化作用をマスクし、ひいては動脈硬化を増悪させる一面があるのではないか」という申請者らの仮説を検証し、「動脈硬化を悪化させるなどの副作用の出にくいビタミンB2の摂取量」を提示するとともに、「ビタミンB2を含有するサプリメントの安全な使用」につなげたい。
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研究成果の概要 |
マクロファージによる酸化LDL貪食は、動脈硬化発症に関わる重要な過程である。ビタミンB2は酸化LDL取込みを促進したが、酸化LDL取込みを担う主要なスカベンジャー受容体であるCD36とCD204(SR-A)の発現量に影響を及ぼさなかった(in vitro)。そこで別の機序解明を試みた。ビタミンB2は糖質コルチコイドの抗炎症作用を促進することが報告されているが、糖質コルチコイドは動脈硬化の増悪因子の一つであるため、酸化LDL取込みに対する糖質コルチコイドの作用を検証した。糖質コルチコイドはMAPK経路の活性化を介して酸化LDL取込みを促進した。今後、ビタミンB2とMAPK経路の関係を検証したい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ビタミンB2(リボフラビン)は、肌あれ・にきび・口内炎などを改善するためのサプリメントや医薬品として広く利用されている。In vitroの実験からは、ビタミンB2が酸化LDL取込みを促進するデータが得られた。一方、in vivoの実験からはビタミンB2が動脈硬化を増悪させるデータは得られなかった。ビタミンB2が動脈硬化を増悪させる可能性は否定できないが、ビタミンB2に血中コレステロール濃度を下げる作用がある点および水溶性であることを考慮すると、ビタミンB2をサプリメントとして用いる際に動脈硬化に対して特段の注意を払う必要はないことが示唆される。
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