研究課題/領域番号 |
20K19652
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 日本体育大学 |
研究代表者 |
鴻崎 香里奈 日本体育大学, 保健医療学部, 助教 (30739769)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ケトン食 / サルコペニア / 神経筋接合部 / 筋委縮 / 骨格筋 / ミオシン重鎖 / 筋線維横断面積 / ミトコンドリア / 遅筋 / 筋萎縮 |
研究開始時の研究の概要 |
加齢性筋機能低下症である「サルコペニア」は、筋量減少や筋力低下をもたらすことから、身体活動量減少による生活習慣病や、転倒事故による寝たきりなどの要支援・要介護状態をも誘発しかねない。さらに筋量減少や筋力低下に加え、筋の収縮運動を調節する神経機能の低下も認められる。本研究では、誰しもが日常生活で取り入れることが可能な「ケトン食(高脂質・低糖質食の総称)」が神経筋機能低下を抑制可能かを検証する。1年目では、ケトン食が神経や筋へもたらす効果を培養細胞や若齢の実験動物を用いて検証する。2、3年目では、擬似的に加齢状態を誘発したマウスや実際に加齢したマウスを対象にケトン食がもたらす効果を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、ケトン食が骨格筋と神経へ作用する分子メカニズムの解明と、ケトン食による骨格筋と神経の機能低下を抑制可能かを検証するために、マウスを対象として脂質10%, 糖質80%, タンパク質10%からなる通常食または脂質90%、糖質0%、タンパク質10%からなるケトン食を6週間摂取させた。ケトン食を摂取したマウスでは、ミオシン重鎖SLOWタイプのタンパク質発現量が有意に増加(約6%)していた。また筋横断面積は、通常食を摂取したマウスと比較して増加 傾向(p=0.059)であった。これらの結果から、6週間のケトン食摂取は筋線維サイズの変化や、遅筋線維の増加をもたらす可能性が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年では、低糖質・高脂質食の総称とされるケトン食を摂取すると、身体へ様々な影響をもたらすことが明らかとされている。しかし一方で、骨格筋へ対して、ケトン食がどのような効果をもたらすかは完全に明らかとされているわけではない。本研究では、実験動物を対象としてケトン食を6週間摂取させると、体重増加を抑制するが骨格筋量は増加させる可能性を見出した。また、姿勢維持や持久的な運動に大きな役割を果たす筋(遅筋)においてケトン食がもたらす効果が大きい可能性を明らかとした。
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