研究課題/領域番号 |
20K19656
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
棚橋 嵩一郎 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (30861819)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 非対称ジメチルアルギニン / ADMA / 有酸素性運動 / 動脈硬化 / 非対称性ジメチルアルギニン |
研究開始時の研究の概要 |
非対称性ジメチルアルギニン(ADMA; Asymmetric dimethylarginine)は、動脈硬化性疾患の発症・進展過程における重要因子として近年注目されている。これまでに、血中ADMA濃度は有酸素性運動トレーニングによって低下することが報告されている。また、習慣的な有酸素性運動は加齢に伴う動脈硬化の進行を抑制することが知られている。しかし、ADMAの低下が動脈硬化の進行の抑制にまで関与しているかについては不明である。そこで、本研究では、習慣的な有酸素性運動によって動脈硬化の進行が抑制される機序にADMAが関与するか否かを検討する。
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研究実績の概要 |
非対称性ジメチルアルギニン (ADMA; Asymmetric dimethylarginine) は、動脈に保護的に働く一酸化窒素 (NO) の産生を阻害する作用を有する物質である。 ADMAの増加は、動脈におけるNO産生の減少につながり、動脈硬化を引き起こす要因となることが明らかになっており、動脈硬化性疾患の発症・進展過程における重要因子として近年注目されている。習慣的な有酸素性運動は動脈硬化の進行を抑制することが知られているが、本研究ではその機序としてADMAに着目し、習慣的な有酸素性運動によって動脈硬化の進行が抑制される機序にADMAが関与するか否か明らかにすることを目的としている。 本研究は、横断的研究を実施するとともに、前向き観察研究を実施し、習慣的な有酸素性運動が動脈硬化の進行を抑制する機序の一部にADMAが関与するか否かについて明らかにしていく予定である。これまでに、横断的研究の一般中高齢者250名程度、慢性腎臓病患者100名程度、心疾患患者10名程度のデータに加えて、前向き観察研究の3年目データにあたる一般中高齢者170名程度、慢性腎臓病患者30名程度の動脈硬化指標の測定および血中ADMA濃度の分析等が完了している。これらのデータから、一般中高齢者および腎臓病患者の血中ADMA濃度は、初年度と比較して3年目で有意に増加することを確認するとともに、高齢女性においてより高い身体機能(有酸素性運動能力)を持つ者は、加齢に伴う血中ADMA濃度の増加が抑制される可能性を確認し、この成果を学会にて報告した。また、加齢に伴う血中ADMA濃度の変化と動脈硬化指標の変化の関連性についてもデータ解析を進めており、公表準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでに収集したデータから解析を進め、横断的研究および前向き観察研究から得られた結果の一部を公表した。このことから、一定の進捗があったと考えられる。一方、最終的な目標を達成するデータをまとめるという観点で研究は完結できていない。また、COVID-19感染拡大防止対策から実施できなかった測定についても引き続き実施し、対象者数を増やす必要があると考えられる。これらのことから、やや遅れていると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う補助事業期間の延長を予定しており、横断研究の対象者数の追加や、前向き観察研究の5年目データの分析を進める予定である。また、引き続き加齢に伴う血中ADMA濃度の変化と動脈硬化指標の変化の関連性などを中心にデータの解析もおこない、まとめたデータは随時関連学会大会や原著論文に公表する予定である。
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