研究課題/領域番号 |
20K19658
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 奈良学園大学 |
研究代表者 |
中島 大貴 奈良学園大学, 保健医療学部, 助教 (00827280)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 高強度間欠的トレーニング / 高齢者 / 認知機能 / 高強度インターバルトレーニング |
研究開始時の研究の概要 |
世界的に認知症者数は年々増加しており,認知症を予防する効果的方策を検討することが重要である.認知症予防には身体活動が重要であり,これまで軽強度から中強度の身体活動の効果が明らかとなっている.一方で,高齢者の身体活動を促進する上では,場所や時間の制約が問題となる.近年,短時間で実施できる間欠的・高強度短時間運動が注目されている.若年者を対象として,認知機能への効果が明らかになっているものの,高齢者では認知機能への効果やその生理学的機序は不明である.そこで本研究では,脳血流動態や脳の機能的結合性,血中バイオマーカーを分析し,間欠的・高強度短時間運動の認知機能への効果とその生理学的機序を解明する.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,①高齢者に対する1回の間欠的高強度運動(High-Intensity Intermittent Training;HIIE)介入が,認知課題パフォーマンスおよび脳血流動態に与 える即時効果を明らかにすること,②高齢者に対する長期的なHIIT介入が,認知課題パフォーマンス,脳の機能的結合性,血清BDNFに与える影響を明らかにする ことである. 今年度は,研究課題①の仮説を強調するために,若年者を対象に疲労困憊に至らないHIIEでも血清BDNF濃度が変動するかを明らかにした.この研究でのHIIEは,今回採用している運動様式と同様のTabata trainingである.その結果,疲労困憊に至らないHIIEは疲労困憊に至るHIIEと同様に運動後の血清BDNF濃度を上昇させ,疲労困憊に至らないHIIEでも認知機能低下を予防できる可能性が示された.本研究内容は昨年度に雑誌掲載された. 本研究でのHIIEは休息と20秒間の高強度運動を1セットとし,8セット繰り返すプロトコルを採用する.運動強度は最大心拍数の80%としている.高齢者が最大心拍数の80%に至る運動に関して,馴染みのあるラジオ体操の項目から運動を抽出して検討した.その結果,屈伸運動6-7セットとジャンプ運動1-2セットを組み合わせる方法が適応できると考えている.現在,これらを踏まえて研究を進めている.,Stroop課題のNeutral課題とIncongruent課題の間に反応時間の差があり,一般的にみられるストループ干渉は観察された.また,Stroop干渉に関連する課題の反応時間は,Controlと比較してMICTおよびHIIT後に短縮した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度は,一昨年度に続き,学内での危機管理委員会の承認を得る必要があり,実験中はマスクを着用しないため,感染対策の観点からも実施が困難な時期があった.これまでCOVID-19の期間に研究が中断した影響で,参加者数の減少もあったことから,新規での研究参加者も募集し,事前問診から実施した.しかし,これまでデータ収集の中断期間もあったことからデータ収集が非常に遅れていると判断している.
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今後の研究の推進方策 |
現在データ収集を再開しており,2024年度上半期でデータ収集を完了し,論文執筆および学会発表の準備を進めていきたいと考えている.COVID-19の期間は研究中断をしていたこともあり,同意取り消しや健康状態の変化もあった.そのため,新規での研究参加者も募集している. 研究課題Ⅱ「高齢者に対する長期的なHIIT介入が,認知課題パフォーマンス,脳の機能的結合性,血清BDNFに与える効果の検討」についは,研究課題Ⅰの実施中より開始する予定である.運動(HIIE)後の有害事象について研究課題①で確認しつつ,研究課題Ⅱについて進めていく予定である.
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