研究課題/領域番号 |
20K19659
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
村木 悦子 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (80369157)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 加齢 / 栄養素バランス / 食欲不振 / 高たんぱく質 / BCAA / 高齢者 / サルコペニア / 食事療法 / マウス / 高齢 / シスプラチン |
研究開始時の研究の概要 |
高齢化を続ける日本では、加齢に伴う筋肉量の減少(サルコペニア)や骨強度の低下(骨粗鬆症)、膝への負担増加(変形性膝関節症)を原因とする運動器症候群(ロコモティブシンドローム)によって、要支援・要介護状態に陥る高齢者が増え続けている。サルコペニアに対する栄養食事療法については、たんぱく質やアミノ酸バランスに関する研究は多くみられるものの、ガイドラインの策定にまでは至っていない。本研究では、薬物誘発性食欲不振モデルの高齢動物を用い、食欲低下でエネルギーを十分に確保できない高齢者において、効率よくサルコペニアを予防できる栄養食事療法を確立するための最適な栄養素の摂取バランスを見出す検討を行う。
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研究成果の概要 |
本研究は、食欲低下でエネルギーを十分に確保できない高齢者において、効率よくサルコペニアを予防できる栄養食事療法を確立するための最適な栄養素の摂取バランスを見出すことを目的として、薬物誘発性食欲不振モデルの高齢マウスに3大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物)のエネルギー比率を変化させた食餌を摂取させたところ、たんぱく質を多く含む食餌を摂取した個体の多くが脱落したが、投与した薬物の影響が大きいことが分かった。また、分岐鎖アミノ酸(BCAA)を用いてたんぱく質の質を変化させた食餌を摂取させたところ、BCAAを多く含む食餌を摂取した群で、総摂取エネルギー量が低下した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で食欲不振の誘発に用いたCDDPは、腎機能低下を招くことが知られているが、高齢者では腎機能が低下していることが多く、本研究の結果から、腎機能が低下している高齢者に、サルコペニア予防として高たんぱく質の食事を推奨することの危険性がうかがえた。また、分岐鎖アミノ酸は筋肉合成を促すことが知られているが、本研究の結果から、分岐鎖アミノ酸を多く含む食事では、食欲低下を招くことが示唆された。このことから、サルコペニア予防を目的として、高齢者に分子鎖アミノ酸を多く含む健康食品(いわゆる「プロテイン」など)を安易に勧めることの危険性が考えられた。
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