研究課題/領域番号 |
20K19680
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
谷口 祐一 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (00782757)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 褐色脂肪 / 熱産生ホルモン / 皮下脂肪 / FGF21 / インスリン抵抗性 / 大豆たんぱく質 |
研究開始時の研究の概要 |
皮下脂肪のインスリン抵抗性が、肝内脂肪などの異所性脂肪の蓄積につながり、糖尿病のリスクとなる。一方で、皮下脂肪の糖代謝を高めるメカニズムおよび手法については知見が不足している。 本研究は、まず熱産生ホルモンFibroblast growth factor 21(FGF21)の抵抗性が、皮下脂肪におけるインスリン抵抗性の原因であることを解明し、さらに肝機能を高める食品(大豆たんぱく質など)がFGF21抵抗性を改善し、皮下脂肪の糖代謝を高めることで、異所性脂肪の蓄積を抑制する効果について検証を行う。
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研究成果の概要 |
本課題では、栄養学的手法による熱産生ホルモンFibroblast Growth Factor 21(FGF21)の分泌促進が、皮下脂肪の褐色化により糖代謝を高める効果を検証した。まず、動物実験で高スクロース食によるFGF21分泌効果を調べたところ、脂肪組織の褐色化は誘導されず、むしろ糖代謝は低下する傾向を確認した。次に、ヒトを対象としてフルクトース摂取によるFGF21分泌の促進作用を確認したが、フルクトース摂取は脂肪組織を褐色化させず、糖代謝指標にも影響を及ぼさなかった。従って、食事により分泌されるFGF21は、脂肪組織の褐色化や糖代謝の制御に直接関与していないと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、脂肪組織の褐色化を促進し、糖代謝の向上や抗肥満作用に働く熱産生ホルモンが関心を集めている一方で、熱産生ホルモンがヒトの代謝に及ぼす影響は十分に検証されていない。本研究は、果糖摂取により分泌促進が認められているFibroblast Growth Factor 21(FGF21)に着目し、その生理作用の解明に努めたが、結果としてFGF21によるヒトの脂肪組織および糖代謝へ影響は認められなかった。今後、本研究と同様の手法を用いて、他の新規内分泌因子と代謝機能との関連性を検証することにより、真に健康増進や疾病予防に役立つ因子の解明につながることが期待される。
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