研究課題/領域番号 |
20K19683
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
高橋 祐司 北海道医療大学, 医療技術学部, 講師 (60804292)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ApoA1 HDL / ApoE HDL / アストロサイト / 脳内酸化ストレス / 細胞増殖率 / 高比重リポ蛋白質 / アポタンパク質E / アルツハイマー / HDL酸化 / ApoE-HDL / 脳内脂質代謝 / 老化 / 認知症 |
研究開始時の研究の概要 |
脳内の脂質代謝は、アストロサイトで合成されたApoEから新生されるApoE-HDLが中心的役割を果たしている。ApoE-HDLは、アルツハイマー病の抑制因子としての報告や、血液中では抗動脈硬化作用を有することから“超善玉リポタンパク質”の可能性が示唆されている。高齢化社会で認知症患者の増加が社会問題となる中、脳内脂質代謝は未だに未解明の部分が多数残されている。本研究では、ヒト培養アストロサイトをApoE-HDLによって刺激を行い、細胞内脂質代謝にどのような変化が生じるのかを明らかにする。脳内脂質代謝におけるApoE-HDLの役割の解明は、新たな予防医学的アプローチの可能性を広げる。
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研究成果の概要 |
本研究では、ApoA1-HDL、ApoE-HDLおよび酸化HDLがアストロサイトの増殖率に及ぼす影響を確認した。各HDL分画を超遠心法とアフィニティクロマトグラフィを用いてTotal HDL、ApoA1-HDL、ApoE-HDLを分取し、硫酸銅酸化後に、HDL酸化度の確認と細胞増殖試験により検討を行った。未酸化のApoE-HDL はアストロサイトの増殖率を増加させ、酸化修飾されたTotal HDLとApoA1-HDLでも有意な細胞増殖率の増加が認められた。各HDL分画の生理的作用と、酸化度の違いによる複合的な要因がアストロサイトの増殖率に影響することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、アストロサイトの増殖特性とHDL分画の脂質・蛋白組成、酸化度との関係を明らかにした。特に酸化ApoA1-HDLがアストロサイトの増殖率を増加させることが示した。これは、脳内での酸化ストレス時にアストロサイトの増殖性において重要な知見であると考えられる。また、アストロサイトの増殖において酸化ApoE-HDLの影響は限定的であることも明らかになった。これらの知見は、脳機能の低下に関与する老化や疾患のメカニズムを解明する上で重要な一歩となる。本研究結果は、神経変性疾患や脳障害の治療・予防に向けた新たなアプローチや治療法の開発に貢献することが期待される。
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