研究課題/領域番号 |
20K19688
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 日本体育大学 |
研究代表者 |
吉田 裕輝 日本体育大学, 保健医療学部, 期限付一般研究員 (10870248)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | apple polyphenol / rat / mitochondria / mitophagy / apple plyphenol / ミトコンドリア量の増加 / ミトコンドリア機能の向上 / 筋持久力 / りんごポリフェノール / ミトコンドリア |
研究開始時の研究の概要 |
りんご由来ポリフェノールの経口摂取がラット骨格筋持久能力を向上させることが明らかとなっている。筋持久力向上にはミトコンドリア量の増加や機能の向上が重要であり、我々は、ミトコンドリア生合成のマスター遺伝子であるPGC-1αが増加しないにもかかわらず、ミトコンドリア量の増加を示唆する結果を得ている。そこで本研究では、りんご由来ポリフェノール影響下で、PGC-1α非依存的経路でのミトコンドリア生合成のメカニズムを解明することを目的とした。 PGC-1α非依存的な経路の分子メカニズム解明は、PGC-1αに加え、新たな視点から体力を向上させる可能性を提供する。
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研究実績の概要 |
本研究ではりんご由来ポリフェノールの摂餌が筋持久力の向上するメカニズムを解明するため、ミトコンドリアに着目した。筋持久力向上にはアデノシン三リン酸(ATP)産生に必要なミトコンドリア量の増加や機能の向上が重要であると考え、その機能や生合成に関与する分子群を分析することを目的とした。りんご由来ポリフェノールが筋持久力向上を引き起こすメカニズムを解明することで、生活習慣病罹患のリスクを低減させる可能性や、怪我や疾病といった健康上の問題により十分に運動ができない人々への有用性を検討している。 前年度までの研究では、ラットを対象とし、通常食を与える対照群、0.5%りんご由来ポリフェノール含有食を与える0.5%AP摂餌群、5%りんご由来ポリフェノール含有食を与える5%AP摂餌群の3群にわけて、各群の食餌摂取量をあわせるPair-Feeding法を用いて4週間飼育を行った。その後、麻酔科で腓腹筋を摘出し、生化学実験に用いた。そしてAP経口摂取により、ミトコンドリア生合成に関与する因子が増加し、さらにマイトファジーが亢進してる可能性を示唆した。しかしながら、ミトコンドリア量に変化は認められなかった。分解と合成のバランスにより、ミトコンドリア量に変化はないものの、ミトコンドリア新陳代謝が活性化されることで、筋持久力の向上に影響を及ぼしているのではないかとの考えに至った。 そこで、今年度はミトコンドリア呼吸差複合体の酵素活性に着目した。呼吸差複合体の酵素活性を測定することで、ミトコンドリアの機能向上による筋持久力への貢献を示すことを目的とした。その結果、複数の酵素活性は増加するという結果を得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症による影響で遅れた状態が続いている。 通常の研究活動を取り戻し、進めている。
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今後の研究の推進方策 |
りんごにはさまざまなポリフェノールが含まれている。そこで、筋持久力向上に影響を及ぼしているポリフェノール成分を同定することも重要であると考える。 りんごに含まれるポリフェノールで含有量の多いのは、プロシアニジン(約45% w/w)、フェノール酸(約25% w/w,主にクロロゲン酸)、フラバン-3-オール(約15% w/w)、フロレチングリコシド(約10% w/w,主にフロリジン)である。これらを候補として、どの成分が筋持久力向上に影響を及ぼしているか調査していくことを今年度の課題としたい。
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