研究課題/領域番号 |
20K19691
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
吉子 彰人 中京大学, 教養教育研究院, 講師 (70825124)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 筋細胞内脂肪 / 磁気共鳴分光装置 / 筋代謝機能 / 高齢者 / 骨格筋代謝 / 磁気共鳴分光法 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者では筋の量が減少する一方で,筋内部の線維組織や脂肪が増加する.特に筋内に蓄積する脂質は筋内脂肪と呼ばれ,筋の質的な指標とされてきた.筋内脂肪の増加に併せて筋力や持久力が低下すると報告されているが,筋内脂肪の一部 (筋細胞内脂肪) は骨格筋代謝を担う貴重なエネルギー基質となることからも,筋内脂肪が存在する意義の解釈は複雑である.そこで本研究では,脂質からエネルギーを生成する筋代謝機能に着目し,筋代謝機能が筋内脂肪の理非性を判断する要素となる可能性を検証する.具体的には,筋の量,質,機能を異なる年齢間 (高齢者 vs. 若齢者) で比較し,さらに筋代謝機能と筋内脂肪との関係を検討する.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,骨格筋内の脂肪と筋の代謝指標 (筋酸素化機能) を異なる年齢間 (高齢者 vs. 若齢者) で比較し,さらに骨格筋内の脂肪と筋の代謝指標との関係を検討することであった.本年度は,若齢者28名,高齢者21名を用いて本実験を実施した.測定項目は,昨年度の予備実験の結果を考慮し,磁気共鳴分光装置を用いた腓腹筋内側頭における筋細胞内脂肪・筋細胞外脂肪,近赤外線分光装置を用いた同筋における筋酸素化機能,磁気共鳴画像装置を用いた同筋における筋横断面積,足関節最大底屈筋力,足関節底屈筋力の立ち上がり速度,足関節筋持久力とした.また高齢者においては,運動機能に関する値 (最大歩行速度,四肢の筋量指数,握力,Timed Up and Go) の測定を実施した.得られたデータを解析し,研究目的の解決に向けて検討した.筋細胞内脂肪は若齢者と比較し,高齢者において有意に低値が示された (5.0 ± 4.2 vs. 1.8 ± 1.0 mmol kg-1 wet weight).一方,筋細胞外脂肪は高齢者において有意に高い値を示した (21.7 ± 11.0 vs. 198.8 ± 86.0 mmol kg-1 wet weight).筋酸素化機能は両者間で有意な差を認めなかった.今後は目的の後半部分に当たる「各パラメータの関係性」についても検討する.また今回のデータの解析を進めていく上で新たな課題も見えてきた.高齢者における筋酸素化機能の生理学的意義については十分な検討が行われていないことに注目し,高齢者の筋酸素化機能と運動機能に関する値との関係性の検討を合わせて進めていく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は若齢者・高齢者合わせて49名の対象者で本実験を実施し,データを得ることができた.またほとんどのデータの解析が完了し,学会発表および論文発表に向けたディスカッションを関連領域の研究者と行うことができた.
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今後の研究の推進方策 |
関連する領域の研究者とディスカッションを重ねて,得られた結果を学会や学術論文として公表する.
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