研究課題/領域番号 |
20K19695
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 甲南女子大学 |
研究代表者 |
西本 幸子 甲南女子大学, 医療栄養学部, 助教 (90824053)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 慢性炎症 / 肥満 / 脂肪組織 / 自己遊離核酸 / インスリン抵抗性 / DNA / 遊離核酸断片 / 代謝 / 核酸分解酵素 / 生活習慣病 |
研究開始時の研究の概要 |
脂肪組織における無菌性慢性炎症は、2型糖尿病で問題となるインスリン抵抗性の発現に重要な役割を果たしている。ダメージ関連分子パターンのひとつである自己遊離核酸断片は、核酸受容体に認識され、脂肪組織慢性炎症を惹起しインスリン抵抗性の発現に関与することが報告されている。本研究は、脂肪組織慢性炎症に関わる遊離核酸断片の質・量の変化を解析し、遊離核酸断片と栄養状態及び全身の代謝状態との関係を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
インスリン抵抗性発現には、脂肪組織マクロファージを中心とした慢性炎症が関与するが、機能障害を起こした細胞から遊離する分子のひとつである自己遊離核酸や核酸分解・認識機構との関係は不明である。肥満がDNase活性へ与える影響を検討した結果、肥満マウスは対照群より内臓脂肪組織DNaseⅡ活性が増強し、血中DNaseⅠ活性は上昇傾向であった。マクロファージに核酸認識型TLRリガンドやcGAMPで刺激を行うと、複数のDNA分解酵素やSTINGシグナル関連分子の遺伝子発現に影響を及ぼした。以上からインスリン抵抗性発現とマクロファージを介した炎症惹起に複数の核酸認識・分解機構が関与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、脂肪組織のインスリン抵抗性とマクロファージを介した炎症性質の発現に複数の核酸認識・分解機構が関与する可能性が示唆された。今後、脂肪組織の慢性炎症進展とDNA認識制御および分解能の関連性を、シグナル伝達機構を含め詳細に明らかにすることで、全身の代謝状態が問題となる生活習慣病に対する新たな予防・治療方法の開発への応用が期待される。cfDNAが関わる病態には、血管の慢性炎症である動脈硬化症にも関与することが示唆されており、全身の代謝調節に関わる核酸の栄養生理学的意義を明らかにすることで、生活習慣病に対する新たな予防・治療方法の開発への応用が期待される
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