研究課題/領域番号 |
20K19696
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
大坂 裕 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (90550385)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 転倒 / 地域在住高齢者 / 前向き調査 / 転倒予防 / 歩行 / 加速度 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者に発生する転倒は、その原因や発生時間、場所なども様々であり、転倒が原因で骨折などの外傷に至りその後の日常生活に影響を及ぼす転倒と、日常生活に影響を及ぼさない転倒が混在している。本研究では、転倒の種類を細分化し、地域在住高齢者を対象に生活習慣の聴取や体力測定など簡単なスクリーニングを行うことで、将来的に発生する転倒の種類を判別することができるかを明らかにする。さらに、細分化した転倒リスクに応じたテーラーメイド型予防対策による介入が転倒新規発生の抑制に繋がるかを解明する。本研究により細分化した転倒リスクの検出が可能となれば、対象者毎に個別で具体的な転倒予防の介入が可能になると考える。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、転倒の種類を細分化し、地域在住高齢者を対象に生活習慣の聴取や体力測定など簡単なスクリーニングを行うことで、将来的に発生する転倒の種類を判別することができるかを明らかにすることである。さらに、細分化した転倒リスクに応じて個別の転倒予防対策を立案することによる介入が転倒新規発生の抑制に繋がるかを解明する。 令和5年度は、研究開始より継続していた地域在住高齢者の握力、バランス能力、歩行能力、体組成などの身体機能測定、運動習慣や活動量など生活状況の調査ならびに過去1年の転倒歴や転倒についての詳細な聴取を含めた調査を継続して実施した。3つの異なる市町に在住している65歳以上の地域在住高齢者260名を対象に調査を行い、これまで実施したベースライン測定より前向き1年間の新規転倒の発生について追跡調査を行った。対象者のうち、1年間の前向き調査を完遂できたのは208人であり、非転倒群177人、転倒群31人(転倒率14.9%)であった。転倒の新規発生件数は47件、31人中10人に複数回転倒が認められ、5人に骨折の発生を認めた。前向き1年間に発生した転倒については状況を詳細に聴取しテキストマイニングにて分析を行った結果、屋外歩行中の段差への躓きの割合が多く、自宅トイレや庭など生活環境に起因したものを認め、今後の地域在住高齢者の転倒調査におけるリスク因子の抽出や特定に寄与できうる可能性が示唆された。 現在では、引き続きこれまで実施した調査の対象者に前向きの転倒発生について追跡調査を行うとともに、合わせて新規発生した転倒に影響を及ぼす身体機能や運動習慣などのリスクについて解析を行っている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は、これまで継続して実施していた地域在住高齢者の身体測定および転倒についての聴取を含めた実施調査を引き続き行い、前向き1年間の転倒の新規発生状況についても追跡調査を実施した。転倒の種類の細分化とそれに関連する因子の抽出を行うための多変量解析を行う予定であったが、これまで実施した地域在住高齢者における転倒発生件数が少なく、予定していた詳細な分析が十分に行えなかったため達成度がやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
現在調査を行った地域在住高齢者に対しては引き続き追跡調査を行い、ベースライン測定からの将来的な転倒の発生の有無を調べるとともに、新規対象者の測定を進めていく。 後ろ向きの転倒発生状況およびベースライン測定からの前向き転倒発生状況を合わせて調査し、転倒の種類の細分化を行い、それに対応する転倒リスクの抽出を行うことによって、将来的に発生する転倒の種類を判別できるスクリーニング手法の確立を目指す。また、細分化した転倒リスクに応じた個別的転倒予防対策による介入が転倒新規発生の抑制に繋がるかを解明する。
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