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慢性高インスリン血症の適切な評価法の確立と本邦2型糖尿病の再分類

研究課題

研究課題/領域番号 20K19706
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分59040:栄養学および健康科学関連
研究機関新潟大学

研究代表者

松林 泰弘  新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (50793890)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
キーワード2型糖尿病 / 脂肪肝 / MAFLD / MASLD / 心血管疾患 / 心不全 / 2型糖尿病 / 虚血性心疾患 / メタボリックシンドローム / 高インスリン血症
研究開始時の研究の概要

アジア人では比較的低い肥満度においても糖尿病を発症することが報告されており、軽度のインスリン抵抗性(インスリン感受性の低下)が大きな影響を及ぼすことが一因とされている。不適切な慢性高インスリン血症はインスリン抵抗性の主要因だが、臨床において把握が困難なこともありエビデンスが不足している。そこで包括的医療ビッグデータベース解析を通じ、高インスリン血症の概念を包含した日本人2型糖尿病の再分類を行い、治療内容との関連を検討する。さらに、高インスリン血症が心血管疾患発症に及ぼす影響を評価する。得られた結果を統合し個別化予防・個別化指導の実践に還元する科学的エビデンスを創出する。

研究実績の概要

1、日本人2型糖尿病は複数のクラスターとして細分類化できるのではないか。それぞれの分類における病態、大血管/細小血管合併症発症の特徴を把握すること で、個々の病態に適合した診療方針の提案に繋げることができるのではないか。
2、不適切な高インスリン血症が心血管疾患発症に及ぼす影響を定量的に評価できるのか。
上記テーマに関し、糖尿病に関連する心血管合併症を含む、種々のイベントを正確に同定可能なレセプトデータを用いた医療ビッグデータベースを構築。観察期間を更に延長し対象者を増やす目的でデータベースのアップデートを継続的に行っている。
昨年に引き続き、脂肪肝に糖尿病や肥満といった代謝失調の存在を加味した概念である、Metabolic dysfunction-associated fatty liver disease (MAFLD)/Metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease (MASLD)に注目し検討を進めている。脂肪肝を背景に進展する糖尿病(DM-MAFLD/DM-MASLD)と脂肪肝を伴わない糖尿病が存在するが、DM-MASLDは心血管疾患発症リスクが極めて高いことを明らかにし本年度の学会で報告予定である。また、類似した病態カテゴリーとして従来から存在するメタボリックシンドローム (MetS)よりもMAFLDの方が糖尿病患者の心血管合併症発症予測には優れていることを明らかにし、論文で報告した(Cardiovasc Diabetol. 2022 Jun
2;21(1):90.) その後、脂肪肝と共に近年急増している心不全にも注目し、脂肪肝-糖尿病-心不全 の関連についても上記データベースを用いて疫学的な観点から検討し論文を作成。現在、投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス(COVID-19)感染症流行の影響で、医師としての診療業務にかけるエフォートが増加し、研究に割り当てられるエフォートが低下したこと、 並びに情報収集や研究推進に関連する会議等にも支障がでたことにより、申請当初の予定よりやや遅れが生じていたが、2022年度からはこれらの影響がほぼ無くなってきており、順調に進めることができている。

今後の研究の推進方策

これまでの研究成果から、脂肪肝とそれに併発する代謝異常を考慮することで心血管合併症、心不全発症リスクの高い2型糖尿病患者を層別化することが可能であること、また脂肪肝から糖尿病への進展抑制が合併症予防の観点からはより重要である可能性が示唆されている。糖尿病診療においてはBMIなどの体重指標より脂肪肝(MASLD/MAFLD)の存在を捉えることが不適切な慢性 高インスリン血症の存在を早い段階で簡便に捉えるには重要であり、2型糖尿病患者においては従来のメタボリックシンドロームの概念よりも心血管合併症発症 予測には有用であることを今回の研究において報告した。「糖尿病患者を脂肪肝の有無(慢性高インスリン血症の存在を反映)でクラスタリングすることの有用性」という方向性でまとめを行っていく。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022 2020 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Impact of metabolic syndrome and metabolic dysfunction-associated fatty liver disease on cardiovascular risk by the presence or absence of type 2 diabetes and according to sex2022

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiro Matsubayashi, Kazuya Fujihara, Mayuko Yamada-Harada, Yurie Mitsuma, Takaaki Sato, Yuta Yaguchi, Taeko Osawa, Masahiko Yamamoto, Masaru Kitazawa, Takaho Yamada, Satoru Kodama & Hirohito Sone
    • 雑誌名

      Cardiovascular Diabetology

      巻: 21 号: 1 ページ: 90-90

    • DOI

      10.1186/s12933-022-01518-4

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 2型糖尿病/高血圧/肥満と脂肪肝との関連が 心不全発症に与える影響についての検討2023

    • 著者名/発表者名
      松林泰弘、藤原和哉、山田万祐子、矢口雄大、山本正彦、石黒創、大澤妙子、北澤勝、岩永みどり、山田貴穂、曽根博仁
    • 学会等名
      第66回日本糖尿病学会年次学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 2型糖尿病の有無別のmetabolic syndrome、metabolic dysfunction-associated fatty liver diseaseが心血管疾患に与える影響2022

    • 著者名/発表者名
      松林泰弘、藤原和哉、山田万祐子、矢口雄大、山本正彦、石黒創、北澤勝、岩永みどり、山田貴穂、曽根博仁
    • 学会等名
      第65回日本糖尿病学会年次学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書 2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 肥満の有無による脂肪肝(MAFLD)が心血管疾患に与える影響の違い2022

    • 著者名/発表者名
      松林泰弘、藤原和哉、山田万祐子、曽根博仁
    • 学会等名
      第95回日本内分泌学会学術総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書 2021 実施状況報告書
  • [学会発表] Impact of metabolic syndrome and metabolic dysfunction-associated fatty liver disease on cardiovascular risk in people with and without type 2 diabetes.2022

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiro Matsubayashi, Kazuya Fujihara, Mayuko Yamada, Yuta Yaguchi, Masahiko Yamamoto, Hazime Ishiguro, Masaru Kitazawa, Midori Iwanaga, Takaho Yamada, Hirohito Sone.
    • 学会等名
      American Diabettes Association 82th Scientific Sessions
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書 2021 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] SGLT2阻害薬投与による肝インスリンクリアランス増加と血中トリグリセライド・βヒドロキシ酪酸レベルの変化 との関連について2020

    • 著者名/発表者名
      松林泰弘, 吉田明弘, 菅波秀規, 藤原和哉, 加来浩平, 曽根博仁
    • 学会等名
      第93回日本内分泌学会学術総会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] SGLT2阻害薬52週投与及び投与中止2週後の 推算血漿流量変化とBNPとの関連の検討2020

    • 著者名/発表者名
      松林泰弘, 吉田明弘, 野島俊秋, ,菅波秀規, 石黒創, 岩永みどり, 山田貴穂, 藤原和哉, 加来浩平, 曽根博仁
    • 学会等名
      第63回日本糖尿病学会年次学術総会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] Association of plasma volume with body weight and BNP after long-term administration and subsequent withdrawal of the SGLT2 inhibitor, tofogliflozin2020

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiro Matsubayashi, Akihiro Yoshida, Toshiaki Nojima, Hideki Suganami, Kohei Kaku, Hirohito Sone
    • 学会等名
      American Diabettes Association 80th Scientific Sessions
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [備考]

    • URL

      https://doi.org/10.21203/rs.3.rs-1504398/v1

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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