研究課題/領域番号 |
20K19707
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
遠山 直志 金沢大学, 附属病院, 特任教授 (50624871)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | リスク因子 / クラスター分析 / 慢性腎臓病 / 腎臓病 / 機械学習 / CKD / 未病状態 / 病型分類 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性腎臓病(CKD)をまだ発症していない状態であるCKD未病状態は、状態が均一で健康な一般住民ではなく多様な病型をもつ異質性の高い疾患予備軍である。CKD未病状態への予防的介入を行うにあたり、効果が見込まれる病型を健康診断などで得られる限られた臨床情報から同定する必要がある。そこで本研究は「個別化されたCKD予防医療の実現のために、リスクへの介入効果が期待できる病型を明らかにする」ことを目的とする。方法として一般住民健診での検査および問診で得られる情報からCKD未病者を機械学習を用いて病型分類する。さらに、分類された病型に対して、健康診断で得られる治療情報を用いてその効果を検討する。
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研究実績の概要 |
金沢市の一般住民検診データを利用し、リスク因子と腎機能障害との関連を報告している。当該年度は、さらに糖尿病を対象とした年齢別のリスク因子と慢性腎臓病(CKD)との関連性を調査した。この結果に基づいて論文を作成し、査読付きの学術誌に投稿している。 次に、クラスター分析を用いて一般住民を分類し、高血圧などのリスク因子と腎機能障害の進行を評価した。クラスター分析では、コンセンサスクラスタリングという手法を採用した。年齢や性別、生活習慣などの既存のリスク因子を組み合わせることで、対象者を特定のクラスタに分類した。このアプローチにより、同じリスク因子を持つ人々がグループ化され、異なるクラスターごとに腎イベント発症率が異なることが明らかとなった。 さらに、各クラスターでリスク因子と腎イベントの関連性を調査した。その結果、クラスターごとに異なるリスク因子が特定された。このことから、個別のリスク因子だけでなく、クラスターごとの特徴を考慮したリスク因子の評価の必要性が示唆された。 この研究結果は、2022年に開催された第65回日本腎臓学会学術総会で口頭発表した。現在は、論文投稿の準備を進めており、査読付き学術誌への投稿を目指している。この研究の成果は、CKDに関連したリスク因子の関連性をより詳しく理解し、患者背景をより考慮した個別化医療ついての洞察を提供することが期待されている。 今後の研究展望としては、より多くのリスク因子を含めた包括的な分析や、他の地域や人口に対しても同様の調査を行うことが挙げられる。クラスタリング手法を活用したリスク評価は、個別のリスク因子だけでなく、個人の特性や背景を考慮する上で有用である。将来的には、この手法を実践的な健康管理に応用し、リスクの高いグループを特定し、個別に適切な予防措置を講じることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既存のリスク因子と腎予後との関連の検討が進み、論文投稿を準備している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で用いた方法を、介入研究の結果へ応用していく。
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