研究課題/領域番号 |
20K19715
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 山陽小野田市立山口東京理科大学 |
研究代表者 |
鶴留 優也 山陽小野田市立山口東京理科大学, 薬学部, 助教 (80846254)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 脂質トランスポーター / 概日リズム / 脂質異常症 / miRNA / 細胞膜発現 / 膜タンパク質 / 日内変動 / 食生活 / 脂質 / トランスポーター / 時間生物学 / 栄養学 / 細胞膜タンパク質 / 足場タンパク質 / 脂肪酸 |
研究開始時の研究の概要 |
一般に、不規則な時間での食事を繰り返すと体内時計の破綻を引き起こし、生活習慣病の発症につながると考えられている。しかしながら、体内時計機構が直接制御している栄養成分のトランスポーターは少なく、概日リズムの破綻が膜タンパク質の細胞内動態制御のいずれの段階で影響するのかについては不明な点が多い。そこで本研究では、不規則な食生活による生活習慣病の発症機序を、足場タンパク質発現の概日リズムの破綻による栄養素の取込み異常の観点から解明する。本研究によって、適切な時間での食生活が健康の保持において重要であることが分子レベルで証明され、生活習慣病予防法の開発につながると期待される。
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研究成果の概要 |
本来休息すべき時間での摂食は、疫学上生活習慣病のリスクとされている。そのメカニズムは、短期的な制限摂食で評価されており、長期間の影響は解明されていない。本課題では長期間休息期に摂食を行ったマウスを作成し、長期間の制限摂食が及ぼす生体リズムや脂質バランスへの影響を解析した。本モデルマウスでは対象マウスと比較して肝臓への脂質の沈着が認められた。その原因はCD36の発現が高値を示すことであった。さらにCD36の発現上昇にはmiR-27aの発現リズムが消失することが関与していた。本課題は長期間の制限摂食が脂質沈着を引き起こすことを示しており、休息期の摂食が及ぼす健康被害に関する予防法構築に貢献できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの休息期摂食が及ぼす代謝能への影響は、短期的な制限摂食モデルマウスを用いており、臨床で見られる病態や状況とは大きく乖離する。本研究成果の学術的意義は、長期的な制限摂食モデルマウスを作成し、臨床を模したマウスで生活習慣病のメカニズムを解析できた点である。さらに、本モデルマウスでは血清中の脂質レベルは正常値にもかかわらず、肝臓における脂質蓄積量は高値を示した。これは血液検査だけでは解析できない脂肪肝の存在を示すものであり、休息期摂食による生活習慣病の発症に大きく関連することを明らかとした。このことは臨床上指摘されている点であり、分子メカニズムを明らかにした点が社会的意義のある成果と言える。
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