研究課題/領域番号 |
20K19721
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 京都産業大学 (2021-2022) 日本体育大学 (2020) |
研究代表者 |
小川 まどか 京都産業大学, 現代社会学部, 助教 (50847035)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | MRI / MRスペクトロスコピー / 脂肪組織 / 寒冷刺激 / 褐色化 / 寒冷 / 拡散テンソルイメージング / T2* / 褐色脂肪 / 身体活動量 / 間葉系細胞 / トレーニング / マイオカイン |
研究開始時の研究の概要 |
ノルアドレナリンと筋から分泌されるマイオカインによって,間葉系幹細胞がベージュ脂肪細胞へ分化する(褐色化)ことがげっ歯類を対象とした研究で明らかにされている.しかしながら,運動により,ヒト褐色/ベージュ脂肪の維持や増加を図れるか否かは明らかにされていない.本研究では,磁気共鳴(MR)画像による褐色/ベージュ脂肪の評価とヒト間葉系幹細胞を使用する in vitro実験モデルを用い,ヒトにおいて,一過性および長期的な運動による脂肪の褐色化とその機序を明らかにすることを目的としている.
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研究実績の概要 |
今年度は,磁気共鳴画像(MRI)撮像後に凍結したマウスの脂肪組織(褐色脂肪・鼠径部脂肪・精巣上体脂肪)を対象に脱共役蛋白質1 (uncoupling protein 1; UCP-1) の発現を確認した.その結果,鼠径部脂肪において,コントロール群と比較し,β3刺激薬を投与した群でUCP-1は有意に高値を示した.一方,褐色脂肪および精巣上体脂肪のUCP-1において,両群間に有意差はみられなかった.現在, UCP-1の発現量とMRIの結果に関連があるかについて考察を進めている. また,マウス生体で実施してきたMRIおよび1H-MRスペクトロスコピー(1H-MRS)による脂肪組織の評価がヒト生体で実施可能か確認した.マウスの鼠径部脂肪で実施してきたMRI(T2*,拡散テンソル画像,Dixon法)および1H-MRSでの評価をヒトの皮下脂肪でも実施できれば,生体内の脂肪の褐色化を評価する方法の確立へ有益な情報をもたらすと考えられる.本実験では,若齢男女20名を対象にコントロール条件(室温27℃で2時間)および寒冷条件(室温19℃で2時間)の前後に頸部および胸部のMRIおよび1H-MRSを撮像し,一過性の寒冷刺激が褐色脂肪および皮下脂肪の評価指標へ与える影響を検討した.その結果,褐色脂肪および皮下脂肪におけるMRIおよび1H-MRSの評価の再現性は確認できた.一方,一過性の寒冷刺激後,褐色脂肪および皮下脂肪におけるMRIおよび1H-MRSの評価指標に有意な変化はみられなかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスの鼠径部脂肪において,脂肪組織の褐色化が確認されているが,今日までにヒトでの脂肪組織の褐色化は一部の生検によっても確認されていない.このような状況を踏まえ,先行研究で報告されてきた褐色/ベージュ脂肪の撮像方法および部位で実施しても,運動による脂肪組織の褐色化を捉えることは不可能だと判断した.そこで,昨年度よりマウスを対象とし,脂肪組織の褐色化を捉える撮像方法を確立することへ一部計画を変更した.現在,それらの撮像方法をヒトへ応用する段階へ至っている.
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今後の研究の推進方策 |
ヒトを対象に定期的な寒冷刺激を実施し,マウスで確認した脂肪組織の褐色化でみられたMRIの特徴がヒトでも観察されるか確認を進めていく予定である.
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