研究課題/領域番号 |
20K19723
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 千葉県立保健医療大学 (2022-2023) 新潟医療福祉大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
渡辺 優奈 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (90771072)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 妊婦 / 鉄代謝 / ヘプシジン / 鉄栄養状態 / 鉄摂取 / 鉄代謝調節因子 |
研究開始時の研究の概要 |
妊婦の貧血は妊婦死亡率、低出生体重児出産や早産に影響することがわかっており、その管理は非常に重要であるが、貧血や鉄欠乏と食事からの鉄摂取量には有意な関連はみられていない。しかし、体内では鉄栄養状態によって鉄代謝(吸収や再利用)が調節されていることが考えられ、本研究では鉄代謝調節因子である「ヘプシジン」に着目した。 妊婦の「ヘプシジン」の状態を検討し、貧血や鉄欠乏と鉄摂取量の関連を明らかにすることにより、妊婦に対する適切な鉄摂取の提案をしたい。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、①妊婦における鉄代謝調節因子「ヘプシジン」の状態を明らかにする、②鉄代謝状態(ヘプシジンの値)、鉄栄養状態、鉄摂取量の3者間の関連を検討するとともに、鉄代謝状態を調整したときの鉄栄養状態(貧血および鉄欠乏)と鉄摂取量の関係を検討することである。これにより妊婦に対する適切な鉄摂取について提案することを目指す。この達成に向け、妊婦を対象として採血検査および質問紙調査を実施し、ヘプシジンとその他鉄関連指標、鉄摂取量を把握することを計画した。 令和5年度は、調査協力施設での対象者リクルート、調査の実施およびデータ収集を行い、目標とした150名の調査を完了した。さらに本研究の目的である妊婦における鉄代謝調節因子「ヘプシジン」の状態を明らかにすること、鉄代謝状態、鉄栄養状態、鉄摂取量の3者間の関連を検討するために解析を行った。なお、次に示す結果の概要は、令和6年9月に開催される日本栄養改善学会で発表予定である。 データに不備や欠損がなかった解析対象者は妊娠中期の健常妊婦146名(年齢 32.4±4.7歳、妊娠週数27.5±0.9週)であった。ヘプシジン値は、測定下限値3.0ng/mLを下回ったため値が出せなかった者が119名(81.5%)おり、それを除く27名の中央値[25%-75%tile]は5.1[3.6-8.8]ng/mLだった。27名のヘプシジン値と血清鉄値、フェリチン値では相関傾向を示した。また、ヘプシジン値3.0ng/mL未満の群は3.0ng/mL以上の群に比べ、Hb、MCV、MCH、MCHC、血清鉄及びフェリチンの値が有意に低く、鉄欠乏である者の割合が高かったが、食事からの鉄摂取量についてはヘプシジン値との関連はみられなかった。 妊婦の鉄代謝状態は、鉄栄養状態と関連してヘプシジン値の分泌が低いことを確認でき、鉄の再利用や鉄吸収が促進していると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始当初に流行した新型コロナウィルス感染症の影響により、研究計画の全体的な遅れが発生し、研究期間を延長した。令和4年度時点では感染対策のための協力施設との調整、研究代表者の異動などが影響し調査の開始が遅れたが、令和5年度に調査を実施、完了した。採血から得られた血液サンプルの血液生化学検査については検査会社に測定を委託し、ヘプシジンおよびその他鉄関連指標のデータの収集を完了した。また、食事調査(FFQ NEXT、建帛社)の結果は栄養素等摂取量などを算出するとともに対象者への結果返却を行った。 令和5年度は、収集したデータから本研究の目的①妊婦における鉄代謝調節因子「ヘプシジン」の状態を明らかにすることを目指し解析を行い、この結果を令和6年に学会で発表する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度には、引き続き収集したデータの解析を行い、特に本研究の目的②鉄代謝状態(ヘプシジンの値)、鉄栄養状態、鉄摂取量の3者間の関連を検討するとともに、鉄代謝状態を調整したときの鉄栄養状態(貧血および鉄欠乏)と鉄摂取量の関係を検討することについて進める。 鉄代謝や鉄栄養状態と鉄摂取量ではこれまでも関連が見られていないことから、食品群別摂取量から食事パターンの分析を行い、鉄代謝や鉄栄養状態との関連も見ていきたい。この結果を学会発表や論文として報告していくことを目指す。
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