研究課題/領域番号 |
20K19743
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60010:情報学基礎論関連
|
研究機関 | 大阪大学 (2021-2023) 九州大学 (2020) |
研究代表者 |
山口 勇太郎 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 准教授 (30780895)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | マトロイド / 組合せ最適化 / アルゴリズム / 離散数学 |
研究開始時の研究の概要 |
マトロイドやマトロイド交叉は,効率的に解ける様々な組合せ最適化問題を表現できる離散構造としてよく知られ,問題群を整理する統一的な枠組みとして盛んに利用されている.マトロイド交叉分割は,いくらかの非常に特殊な場合に関して綺麗な性質が知られており,新たにそのような枠組みとなることが期待される一方で,一般の場合には難しい問題であることがごく最近示された.本研究では,そのギャップを埋め,マトロイド交叉分割の真価を明らかにしたい.
|
研究実績の概要 |
マトロイド交叉分割に対するボトムアップなアプローチとして,対象とするマトロイドのクラスを制限する方向から関連問題に取り組んでいる.特に,初心に帰り,グラフマトロイドや分割マトロイドのように,既に特殊な状況であれば解けている設定に関して再考し,その境界線となり得る性質が何であるのかを追究している. マトロイド単体ではなくマトロイド交叉の離散構造としての扱いやすさの本質を追究する観点から,情報を制限したマトロイド交叉問題に対する研究も引き続き行っている.依然として完全解決には至っておらず,部分的な結果が断続的に得られる状況が続いている.
これらの問題に関して近隣研究者と議論する過程で,マトロイド交叉問題と同様に組合せ最適化における中心的な問題である最大マッチング問題や最短経路問題に関する様々な問題が派生した. 最大マッチング問題に関しては,分散計算モデルにおけるブレイクスルー的な計算量改善を行うことに成功した.また,制約付き完全マッチング問題に関する固定パラメータアルゴリズムや,その派生問題の困難性なども得られている. 最短経路問題に関しては,辺重みが非負であるような通常の設定よりも少し広いグラフに対する制約付き最短経路問題に関する計算量が長年未解決であったが,その困難性がごく最近証明された.これを受け,適切なパラメータ設定を考え,この問題に対する 2 種類の固定パラメータアルゴリズムを設計した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
関連問題に関して断続的な成果が得られていることと,それらの議論から発展して生まれた別のテーマに関する共同研究が大きく進展していることは期待以上である. 一方で,当初から中心に据えている問題に関する進展は特に無く,全体として計画以上とまでは言えない.
|
今後の研究の推進方策 |
当初の問題と,情報を制限したマトロイド交叉問題に対する完全解決に至る有望なアプローチを模索する. また,既に得られている断片的な成果を全て論文にまとめて発表することで,問題意識を近隣研究者に共有する.
|