研究課題/領域番号 |
20K19747
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60020:数理情報学関連
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研究機関 | 筑波大学 (2021-2022) 東京理科大学 (2020) |
研究代表者 |
鮭川 矩義 筑波大学, システム情報系, 助教 (20757710)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 組合せ構造 / データ解析 / アルゴリズム / 数理最適化 / カオス理論 / 社会選択理論 / 厳密計算 / 整数論 / カオス / 社会的選択理論 / 離散構造 / 点過程データ / 非線形時系列 / ランキング / 組合せ最適化 / 整数計画 |
研究開始時の研究の概要 |
データ解析に現れる組合せ構造を有効活用するためのモデリングとアルゴリズムを整備し、データ解析の高信頼化と高性能化を図る。具体的には、(i) 数値の大小関係や係数の符号といった信頼性の高いデータをネットワーク構造などの組合せ構造として抽出し、(ii) 組合せ構造に対する高性能なアルゴリズムの適用によって知見を発掘する、という2段階の枠組みを提案し、その理論基盤の構築と有用性の実証を行なう。提案する枠組みの確立によって、モデリングとアルゴリズムのミスマッチに起因する不正確なデータ解析からの脱却を促すことと、従来手法では見逃されていた高信頼な知見の発掘を可能にすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では組合せ構造を活用してデータ解析手法を高性能化する技術を開発した。具体的には、(i)社会科学分野における社会的選択理論の問題、非線形力学分野における(ii)カオス応答写像の実装で生じる周期の問題、(iii)マーク付き点過程データの中央値計算の問題を扱った。各問題に対して、当該分野で従来用いられてきたモデルを、そこに内在する組合せ構造を意識して刷新し、組合せ構造に特化したアルゴリズムや最適化の技術の効果的な応用を可能にした。特に、(iii)の問題に対する計算方法に関する研究では、地震の挙動を予測する問題への応用を行ない、本研究で開発した技術の有用性を示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
開発したデータ解析手法を適切に応用することで、新たな知見の発掘に寄与することが期待される。本研究で主な対象とした社会科学と非線形力学の分野はもとより、それらの周辺分野や、同様の解析手法への需要がある未開拓の分野への応用が考えられる。たとえば、本研究で対象とした地震の挙動を予測する問題は、非線形力学の問題でもありつつ、自然科学の問題でもあるといえる。本研究によって組合せ構造の活用によるデータ解析手法の高度化にはまだ大きな余地があることが明らかになった。これにより、組合せ構造に関する理論と応用の両面での研究がより活発になることが期待される。
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