研究課題/領域番号 |
20K19760
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60030:統計科学関連
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研究機関 | 長野県立大学 |
研究代表者 |
鶴田 靖人 長野県立大学, グローバルマネジメント学部, 講師 (30866017)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ノンパラメトリック統計 / 方向データ / 方向統計学 / カーネル密度推定 / バイアス修正 / 高次元データ / ローズダイアグラム / バンド幅推定 / ノンパラメトリック回帰 / テキストデータ / シリンダーデータ / ノンパラメトリック推定 |
研究開始時の研究の概要 |
風向などの角度データや地球上の気象データなどの球面データを方向データと呼ばれている。実数観測値を含むような高次元方向データは構造が複雑な場合も多く、柔軟な推定が可能なノンパラメトリック統計モデルが注目されている。しかし、その統計的性質は未解明な点が多い。高次元方向データのためのノンパラメトリック統計モデルであるカーネル密度推定やカーネル回帰の統計理論を構築し、データに応じた柔軟な推定を可能とすることを目指す。本研究により高次元方向データを柔軟に推定することが可能となり、データが持つ構造の可視化や判別分析への応用が期待できる。
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研究実績の概要 |
「角度データのためのローズダイアグラム推定量のビン幅推定」に関する研究成果を国際学会で発表した。「高次元方向データのためのカーネル密度推定量のバイアス修正」に関する研究において、一般化ジャックナイフ法を適用したバイアス修正法を提案した。提案手法は、従来手法と比べて平均積分2乗誤差の収束スピードが速いことを明らかにし、数値実験でも提案手法は従来手法に比べて優れた性能を示した。国内学会等で意見交換した内容を踏まえて、いくつかの技術的な修正を行った上で研究成果をまとめて国際学術誌に投稿しており、「major revision」の判定後、再査読を受けている。角度データのためのカーネル密度推定量の新しいバイアス修正アプローチとして、Flat-topカーネル関数を円周上の密度推定に応用する研究に取り組んでいる。提案手法は、従来手法と比べて平均積分2乗誤差の収束スピードがより速いか同等であることを明らかにした。また、提案手法は、真の分布が特定の条件を満たす場合にroot-n consistencyを達成することが示された。数値実験においても提案手法の理論的性質を裏付ける結果を得ることができた。現在、提案手法を実データ解析に応用する研究を行っており、提案手法は柔軟な推定を行うことができることがしめされたた。この結果は提案手法は、実データの特徴を適切に表すことが期待できることを示唆している。円周上のFlat-topカーネル関数に関する研究成果をまとめて国際学術誌に投稿できるように現在、準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「高次元方向データのためのカーネル密度推定量のバイアス修正」に関する研究は現在再査読中であり、まだ掲載は決定していない。「円周上のFlat-topカーネル関数」に関する研究は実データへ応用する研究に取り組んでいるものの終了していない。また、研究の遅れから予定していた国際学会等での学会発表もいくつか実施できていないものがある。以上の理由から本研究の進捗はやや遅れていると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
「高次元方向データのためのカーネル密度推定量のバイアス修正」に関する研究は国際学術誌への掲載を目指して、査読者の修正コメントがあれば適切に対応する。「円周上のFlat-topカーネル関数」に関する研究は実データへの応用研究が終了次第、国際学術誌に投稿する。また、その研究成果を学会等で発表する。
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