研究課題/領域番号 |
20K19765
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60040:計算機システム関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
上野 嶺 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (80826165)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 物理複製困難関数 (PUF) / hardware root-of-trust / 暗号 / 情報セキュリティ / 物理複製困難関数 / ハードウェアセキュリティ / 共通鍵暗号 / サイドチャネル攻撃 / 暗号実装 / 認証 / 深層学習 / ファジー抽出器 / 耐タンパー性暗号鍵生成・ストレージ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,半導体で実現可能な物理複製困難関数 (PUF: Physically Unclonable Function) に基づく認証システムの実現を目指す.PUFから安全なハードウェアIDを効率的に抽出するためにPUFの出力に対して高効率に誤りを訂正する処理や乱数性を高める手法を新たに開発することで,高い安全性と信頼性を有する認証システムを開発する.
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研究成果の概要 |
本研究では,まず,物理複製困難関数 (PUF) からハードウェアIDを,確率的手法に基づいて,極めて効率的かつ高信頼に抽出する手法を複数開発した.その中でも最も新しい提案手法では,標準的なほぼ全ての状況下でハードウェアIDを既存手法に比べて高効率に抽出でき,同等の安全性を担保しつつPUFのハードウェア実装コストを最大で55%削減できることを確認した.さらに,PUFに基づく認証モジュールは各種サイドチャネル攻撃の対象となりうるが,PUFによって生成された秘密鍵・認証鍵の抽出を目的としたサイドチャネル攻撃の評価を行うとともに,対策としてマスキングや暗号鍵変換の有効性を確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は,確率的アルゴリズムの有効性をPUFに基づく認証システムの構築に応用することで,現実的コストで実装可能な手法の中で到達可能な効率性の解明に大きく貢献した.また,PUFは暗号アルゴリズム・プロトコルにおける「信頼の起点 (root-of-trust)」として扱うことで暗号アルゴリズム・プロトコルの信頼をハードウェアから保証するという重要な役割がある.本成果によりPUFを信頼の起点として扱うコストが大幅に削減したことで,ハードウェアroot-of-trustの普及,そしてより安全・高信頼な情報社会に貢献する.
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