研究課題/領域番号 |
20K19769
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60040:計算機システム関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
古田 潤 京都工芸繊維大学, 電気電子工学系, 助教 (30735767)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 放射線 / SiCパワー半導体 / トータルドーズ効果 / SiCパワーMOSFET / ガンマ線 / α線 / 経年劣化 / SiC MOSFET / パワー半導体 / SiCパワーデバイス / 放射線効果 |
研究開始時の研究の概要 |
人工衛星の推進方式に電気推進が利用され、電力変換回路の占める割合が急増している。電力変換回路の小型化としてSiCなどの次世代パワー素子が注目されている。宇宙用途では故障無く長期使用可能であることが重要となる。次世代パワー半導体の経年劣化や高い放射線環境における影響の評価が極めて重要となる。 本研究では次世代パワー半導体の経年劣化と放射線による劣化がどちらもゲート酸化膜での電荷の捕獲によって生じる現象であることに着目し、経年劣化と放射線の影響の相互関係を評価する。経年劣化後の素子や、経年劣化実測中に放射線照射を行い、地上における経年劣化と宇宙における経年劣化の進行速度・特性の違いを明らかにする。
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研究成果の概要 |
次世代半導体であるSiC MOSFETにガンマ線を照射し、トータルドーズ効果の影響を評価した。SiC MOSFETはSi MOSFETと比較して高いトータルドーズ効果への耐性を持つことが分かった。特にSiC planar MOSFETでは放射線耐性が高く、150kradのガンマ線に対して-0.5Vしか閾値電圧が変化しなかった。 トータルドーズ効果により劣化した素子のゲート端子に高電圧を印加し、経年劣化であるBTIの影響を測定した。その結果、SiC MOSFETでは46V程度印加することでトータルドーズ効果による劣化から完全に回復することを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
次世代パワー半導体であるSiC MOSFETはSI半導体と比較して高速な動作が可能であり、電力変換回路の小型軽量化が可能である。本研究成果によりSiC MOSFETを宇宙空間で用いることは人工衛星小型軽量化のみでなく、長寿命化にも寄与することができることが分かった。また、SiC trench MOSFETではゲート端子に高電圧を印加することでトータルドーズ効果による回復が可能であるため、定期的に高い電圧を印加することでさらなる長寿命化が可能である。
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