研究課題/領域番号 |
20K19770
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60040:計算機システム関連
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研究機関 | 京都大学 (2021-2022) 広島大学 (2020) |
研究代表者 |
安戸 僚汰 京都大学, 情報学研究科, 助教 (00846941)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | メモリネットワーク / メモリキューブ / 相互結合網 / 計算機システム |
研究開始時の研究の概要 |
AI(ディープラーニング)やビッグデータ解析が台頭する現在において,膨大なデータが経済や社会を変革する「データ駆動型社会」が加速している。その発展のためには大容量のメモリを要する計算基盤の開発が重要である。メモリ容量を増やすための次世代メモリ技術として,三次元積層を使ったメモリキューブという技術が確立されている。メモリキューブはルータを内臓し,自由につなげて相互結合ネットワークを構成することで大容量メモリシステムを構築できるが,その消費電力や通信遅延が大きいという問題がある。そこで本研究ではアーキテクチャの工夫によって大容量で低消費電力・低遅延のメモリキューブネットワークを探究する。
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研究実績の概要 |
本年度の成果として,新しいメモリキューブネットワークであるDDM (Dual Diagonal Mesh, 二重対角メッシュ)を提案した.最大の特徴は非連結な二つの対角メッシュを用いる点であり,メモリキューブ同士は連結である必要がないことをうまく利用した提案となっている.プロセッサを介してこの二つの対角メッシュを接続する.これによりプロセッサのポート数は3となる.本ネットワークは配線長の制限がマンハッタン距離で2の場合において,平均ホップ数および直径がともにノード数によらず理論的に最小となることをグラフを用いて証明した.規則的な配線によるネットワークの構築と単純な決定的最短経路ルーティングが可能であり,一部の経路計算をスキップすることによりルータ内の遅延を削減することができる.本提案に対し,シミュレーションを行って既存のネットワークとの比較を行った.既存のシミュレーションではメモリキューブネットワークを考慮していないため,メモリキューブネットワークを考慮したトラフィックパターンとして各プロセッサからメモリキューブに一様ランダムにアクセスするUniform randomトラフィックパターンと,そのうちローカルメモリとリモートメモリへのアクセスの比率を任意に変更したNon-uniform randomトラフィックパターンを定義した.シミュレーションの結果,同サイズかつ配線長とポート数が等しい既存のネットワーク(メッシュ,トーラス,diagonal memory network)よりもゼロ負荷時のネットワーク遅延が最小となり,4-40%削減できることを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まとまった成果として二重対角メッシュネットワークの提案を行うことができ,順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
二重対角メッシュをベースとしてキャッシュコヒーレンスプロトコルの考案,フルシステムシミュレーションによる評価を行う.
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