研究課題/領域番号 |
20K19784
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60060:情報ネットワーク関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡家 豊 大阪大学, データビリティフロンティア機構, 特任研究員 (10614125)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | バイオナノセンサネットワーク / 構造制御 / 生体内バイオナノセンサネットワーク / 構造制御方式 / IoBNT |
研究開始時の研究の概要 |
近年、Internet of Things (IoT) に象徴されるように、様々なモノがインターネットを通じて繋がる時代になったが、生体領域に関しては、未だに現状のネットワーク技術では入り込めないフロンティアとなっている。本研究は、生体親和性の高いバイオ素材からなるバイオナノセンサを用いて生体内に人工的なセンサネットワークを構築し、既存のインターネット経由で生体情報を取得できる Internet of Bio-Nano-Things (IoBNT) の実現を最終的な目標としている。
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研究実績の概要 |
本研究は、生物由来の素材からなる微小サイズのバイオナノセンサによって構築されるバイオナノセンサネットワークと、既存の情報通信ネットワークを統合することを最終目標とする。そのために、既存の通信機器と通信できるインタフェースをバイオナノセンサの集合体によって実現したい。その第一歩として、自然界に存在する細胞生物が様々な空間構造を自己組織的に形成する現象に着目して、バイオナノセンサで集合体を形成するための構造制御方式を設計する。また、理論および実験的アプローチによりその実現可能性を検証する。本研究が成功した場合には、情報通信ネットワークを用いて生体内の情報まで管理できるようになる。また、本研究の継続的な推進は、生命科学と情報通信工学を融合する新しい研究領域の創出に繋がるだけでなく、最新医療や未来型医療の発展に寄与する可能性もあることから、本研究の学術的意義と社会的影響は多大であると考えられる。 令和2年度、送信機と受信機の両方が移動する通信において、効率的な通信を実現するために、多重計測による復号方式の数理モデルを構築した。生化学実験によって取得した、バイオナノマシンとその相互作用に関するパラメタを用いて、計算機上でシミュレーションし、提案方式の有効性を検証した。提案方式によって、バイオナノマシン同士や外部機器との間で、より高い信頼度で通信できることを示した。この成果は、国際会議 EAI BICT 2020 においてオンラインで研究発表を行った。また、この成果を発展させ、バイオナノマシンにおける多重計測方式の必要性と妥当性についてまとめた。その成果は、学術論文として IEEE Access に採択されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特筆すべきことはなし。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は、令和2年度に生化学実験で得られたデータと提案した通信方式に基づいて、新しい構造形成のモデルを構築できないか検討する。新しいモデル上で数学的な分析と、計算機シミュレーションを行い、構造形成の制御の可能性を検証する。研究成果をまとめ、国際会議で発表する予定である。
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