研究課題/領域番号 |
20K19795
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60060:情報ネットワーク関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
森岡 和行 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 電子航法研究所, 主任研究員 (80711316)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 航空無線 / 無線マルチホップネットワーク / MIMO / CPM / ミリ波通信 / マルチホップ通信 / データベース管理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、機上・船上システムからなるマルチホップ通信を用いた気象情報共有システムの実現をめざし、システム実現に必要な3つの課題に取り組む。 一つ目は、長距離大容量ミリ波通信技術の開発である。ミリ波帯は距離減衰が大きいため、長距離で安定した通信を行うための通信方式の検討を行う。 二つ目は、マルチホップ通信技術の開発である。航空機の高速移動にともない変化する3次元トポロジー上で、効率的にマルチホップ通信を実現する方法について検討を行う。 三つ目は、データベース統合・共有・更新技術の開発である。気象情報の時間的・空間的局所性を活用して各機上・船上で収集したデータを効率的に管理する方式の検討を行う。
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研究実績の概要 |
本研究開発では、洋上で航路上における乱気流等の気象情報を共有できるシステムの構築をめざしている。航路上における広域な気象情報を共有することができれば、事前に最適な航路を選択でき燃費削減につなげることができる。通常、気象情報等の有効範囲は時間と場所に局所性があり、衛星を用いてグローバルに共有する必要性はなく、ローカルに共有できれば十分である。そこで、本提案研究では、機上・船上システムからのみ構成できる、低コスト・ローカル情報共有システムの実現をめざす。提案方式の検討は物理層、上位層に分け、それぞれの要素技術について検討する。 本年度は、昨年度調達したSDR(Software Defined Radio)プラットフォームを用いて物理層の評価システムを構築した。構築したSDRプラットフォームは、送信アンテナ16本、受信アンテナ16本のマルチアンテナシステムを評価できるものである。このシステムを用いて任意の波形を生成・送信し、受信・評価することが可能である。次年度には、航空無線に適した変調方式(CPM:Continuous Phase Modulation)やビームフォーミング方式の開発・評価を実施する。 上位層に関しては、ネットワークシミュレータを用いたマルチホップルーティングの評価環境を構築した。ネットワークシミュレータにはオープンソースのシミュレータであるns3を用いた。航空機位置情報提供サービスであるフライトレーダ24から取得した実際の航空機の位置情報にもとづき航空機の移動を再現するモデルを構築した。次年度には、マルチホップルーティング方式の代表である既存の4手法AODV、DSR、DSDV、OLSRについてns3上での評価を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度に在外派遣研究を実施することとなったため、本年度はハードウエアを用いた十分な研究時間をとることができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度に遅れを挽回するとともに、十分な研究成果を公表できるよう1年間の延長申請を行う予定である。
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