研究課題/領域番号 |
20K19802
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60070:情報セキュリティ関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
中村 周平 日本大学, 生産工学部, 助教 (00824038)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 多変数多項式暗号 / Bi-graded 多項式系 / Multi-graded 多項式系 / MinRank問題 / Kipnis-Shamir手法 / 鍵復元攻撃 / Rainbow / 直接攻撃 / RBS攻撃 / Tomae-Wolf algorithm / BIPC問題 / Rainbow 暗号 / MinRank 問題 / 耐量子計算機暗号 / グレブナー基底計算 / 耐量子暗号 |
研究開始時の研究の概要 |
身近なところで広く利用される暗号は, 第三者が秘匿な情報を得ようとした際に困難な数学問題を解くよう設計することで, 情報の取得が困難である状態を作り出すことを目的としている. しかしながら, 現在暗号で利用される数学問題は量子計算機を用いた場合に十分解くことが可能であるため, 量子計算機の実現による将来的な攻撃に耐性のある数学問題を基にした暗号を開発することは重要な課題である. 本研究ではこのような暗号の候補として期待される多変数多項式暗号の安全性を理論的に評価することを目指す.
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研究実績の概要 |
2022年度は, 多変数多項式暗号の安全性に関連して以下の研究を行った. (1) MinRank問題を解くKipnis-Shamir 手法の計算量見積もりを九州大学の池松泰彦 氏, 東芝研究開発センターの王亜成 氏と共に行った. 多変数多項式暗号の中にはMinRank問題に帰着して同値秘密鍵を復元する攻撃があり, MinRank問題を解く効率性がこの攻撃の効率性を左右するため, この問題に対する解析は重要である. 研究結果は学術雑誌IEICE Transactions にて発表された. (2) MinRank問題の困難性を基にした識別方式に関する研究を九州大学の池松泰彦氏, 電気通信大学のバグスサントソ氏, 岡山理科大学の安田貴徳氏と共に行った. 研究結果は国際会議ISITA 2022 にて発表された. (3) 多変数多項式暗号に関する解析はこの数年で大きく進展し, そこで用いられた技術等を統一的に扱う研究を九州大学の池松泰彦氏, 東京大学の高木剛氏と共に行った. 研究結果は学術雑誌IET Information Security にて発表された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は, 研究課題である多変数多項式暗号に関連する問題に対する解析は進んだが, 研究発表等のさらなる関連問題とのつながりを模索する研究活動には時間を当てることができなかった. このため, 当初の研究計画としてはやや遅れているものと考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
次年度では, 2022年度までの成果をまとめ, 関連研究への影響について調べることを予定している. また, 本研究課題終了後への発展を見据え, 最終的な研究報告を様々な学会等で発表することを予定する.
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