研究課題/領域番号 |
20K19842
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
青山 裕美 (中村裕美) 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 特任准教授 (20774251)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 味覚電気刺激 / 味覚提示 / 味覚制御 / 経皮電気刺激 / 食体験 / 感覚提示ディスプレイ / インタフェース / 神経刺激 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は電気味覚刺激による味覚制御において,口腔内及び咽頭の任意の位置に任意のタイミングで味覚の提示・増強・抑制の効果を生起させる口腔内味覚総合制御手法を構築する.その為に複数電極配置と刺激種類の組み合わせを用いた刺激設計を行い,1. 口腔内並びに咽頭の任意の個所での味覚の提示・増強・抑制,2. 電気刺激による味覚の提示・増強・抑制の空間的分解能,3. 電気刺激による味覚の提示・増強・抑制の時間的分解能,また制御によってどの程度刺激と味覚への効果の間に遅延が生じるかの3点に注力した検証を行う.これにより既存の食体験では達成困難な新しい食体験を成立させうる味覚のデジタルテクノロジーの確立を狙う.
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研究実績の概要 |
本研究は味覚電気刺激による味覚制御において、口腔内及び咽頭の任意の位置に任意のタイミングで味覚の提示・増強・抑制の効果を生起させる口腔内味覚総合制御手法を構築するものである。 そのなかで、本年度は、研究実施計画 1. 口腔内並びに咽頭の任意の個所での味覚の提示・増強・抑制および研究実施計画 2. 空間的制御における空間分解能の調査、研究実施計画 3. 時間的制御における時間分解能の調査に関連する内容として、刺激位置を連続的に移動させることによって各箇所での個別の刺激としてではなく一体の移動感覚として認識されるかに関して調査を行った。具体的には隣り合う電極間の二点弁別閾値の調査と、刺激位置を隣に移動させるまでのインターバルについて評価を行った。結果、パラメタによっては仮現運動に近い感覚が得られる事が示され、味覚電気刺激を用いて既存の味覚刺激では提示が困難な口腔内での味移動感覚を構築できる可能性が示された。この結果は、研究実施計画 4. 口腔内味覚総合制御型インタフェースの構築において、味覚電気刺激の特性を生かした効果の提供に大きく寄与する。 加えて、口腔内、とくに舌上の任意の箇所に食品、特に表面が乾燥した食品を用いて味覚電気刺激を与える一手法として、食品表面に食用金箔を用いて回路を構築する手法の提案とアプリケーション実装を行った。本手法によって乾燥した食品の表面にマトリックス状に電極を配置し、Tongue Display Unitのように指定位置に刺激を与える事も可能となると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
進捗状況の理由として、実施計画の複数に関与する移動感覚の提示に関して、仮現運動が感じられる刺激設計が検討できた点があげられる。既存の味覚提示技術では仮現運動を提示することは困難であり、本研究が新たな味覚提示技術としても有用なものとなりえることを示唆している。加えて、本若手研究の遂行内容の一つである、空間的増強・抑制に今後活用できると考えられる食品への回路設計に関しても、食品上への金箔による回路構築手法を提案できている。そのため、計画以上に進展したと判断している。
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今後の研究の推進方策 |
味覚電気刺激による味の移動感覚に対して、より詳細な提示可能条件を求めるための実験を実施するとともに、時間分解能・空間分解能の調査を進め、口腔内味覚総合制御型インタフェースとして構築を行う。
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