研究課題/領域番号 |
20K19876
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61030:知能情報学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
椿 真史 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (80803874)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 深層学習 / 密度汎関数理論 / 転移学習 / 機械学習 / 量子化学計算 / 密度汎関数法 / データ駆動科学 / マテリアルズ・インフォマティクス / 第一原理計算 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、本研究課題の核心をなす学術的「問い」を以下のように立てる。「大規模データ駆動の深層学習モデルは、量子物理・化学の法則を反映した上で、解釈可能な予測を我々に提供できるか?」実際に、昨今の深層学習モデルのほとんどは、精度向上のために様々な技術の寄せ集めになっており、必ずしも理論計算のように量子物理・化学に基づいていない。したがって、深層モデルが量子物理・化学を反映した上で学習し、最終的な予測を提供しているかどうかを、人間は解釈できない。申請者は、深層学習における解釈性という問題を、モデルの内部に量子物理・化学の法則、現象、あるいはメカニズムを与えることで具体的に解決することを目指す。
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研究成果の概要 |
主な研究成果は、以下の三つである。まず、上記の新たな深層学習モデルを実装し、分子のエネルギーをある誤差の範囲内で外挿予測できることを示した。また、それを実装する過程で、従来の深層学習モデルが量子化学計算における波動関数の重ね合わせと等価な計算を行っていることを、数学的に示すことにも成功した。さらに、新たな深層学習モデルを簡単な低分子で学習し、その学習済みモデルをより複雑な高分子の物性予測へと転移させた。それぞれの研究成果について、一本ずつ合計三本の論文が国際学術誌に掲載された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は、物理化学と機械学習という二つの分野を適切に融合できたことである。分子データを扱う際には、どちらかの分野の理論やアプローチのみに偏ることなく、それぞれの分野の良い部分をうまくミックスさせることが必要不可欠であり、それを達成することができた。また社会的意義は、分子データは製薬企業や材料企業のすべてが密接に関わるデータであり、その分野の研究者や技術者にとっての基礎技術を開発できたことである。学習モデルは、製薬企業や材料企業が独自に持つデータでも再学習可能であり、広く使われることが期待できる。
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