研究課題/領域番号 |
20K19880
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61040:ソフトコンピューティング関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
野口 渉 北海道大学, 数理・データサイエンス教育研究センター, 特任助教 (60868082)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 深層学習 / 予測学習 / ミラーニューロン / 模倣 / 身体イメージ / 視点取得 / 視点変換 / 空間認知 / 内部モデル / 自己 / 他者 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,模倣のために必要な自己と他者の身体動作の対応付けをコードするミラーニューロンと,ミラーニューロンを利用して模倣能力を獲得する深層学習モデルを構築することで,ミラーニューロンと模倣能力の獲得メカニズムを明らかにする. とくに,深層学習を用いて実際の生物に近い複雑な情報の認識が可能なモデルを構築し,生物と同等な経験からミラーニューロン・模倣能力の獲得するという点でモデルの妥当性を示す.
|
研究成果の概要 |
本研究では,自己と他者の身体動作の対応(ミラーニューロン)および動作模倣を獲得可能な深層学習モデルを構築した.一人称視点において観測される自己身体と他者身体の見えの乖離を克服するために,モデルは予測学習を通して空間構造の表現及びその空間内での身体形状の表現(身体イメージ)を獲得する.獲得される身体イメージは一人称視点の座標系に限定されず,モデルの共有モジュールにおいて自他で共有な身体イメージとして利用され,同時にミラーニューロンおよび模倣能力が実現されることを示した.さらに,同様なモデルを拡張して,身体拡張のモデル,また,視点変換・視点取得能力を獲得するモデルを構築した.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で構築したモデルにおけるミラーニューロン・模倣能力の獲得メカニズムは,例えば模倣されるという経験により自己と他者の身体姿勢・動作の対応関係を明示的に与えられることを仮定しておらず,従来のモデルで仮定されていたような,模倣される経験を通した連合学習による説明に加え,ミラーニューロン・模倣の発達メカニズムの解明に貢献することが期待される.また,構築したモデルによって,ミラーニューロン・模倣に限らず,視点取得能力も獲得可能であることを示しており,本研究のモデル・知見を拡張することで,より広範な社会的認知の発達の基盤的メカニズムの解明に貢献することが期待される.
|