研究課題/領域番号 |
20K19881
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61040:ソフトコンピューティング関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
杉谷 栄規 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 講師 (40780474)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 同期現象 / 振動停止現象 / 結合発振器ネットワーク / 結合遅延 / 無秩序 / 結合発振器 / 複雑系科学 |
研究開始時の研究の概要 |
電力網などの挙動が複雑な大規模ネットワークシステムでは,ネットワークの機能を維持する上で,サブシステム間の協調動作が非常に重要な役割を担っている.これまでの研究は,理想的なネットワーク(サブシステムおよび,それらの間の相互作用が全て同一)を設計対象としていたが,最近,ネットワーク内の無秩序性が協調動作の安定性を高めることが発見された.本研究では,協調動作の中でも工学システムと結びつきが強い同期現象と振動停止現象に着目し,「ネットワーク内の無秩序性により,秩序だった協調動作がどのように誘発されるのか」について検証を深め,工学分野の視点から最適な無秩序性を設計することを目的とする.
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研究成果の概要 |
本研究では,振動子ネットワークに無秩序性を適切に加えることで,同期現象や振動停止現象などの協調動作の発生にどのような影響が与えられるのかを調査した.これまでは,解析の容易さから,そのような無秩序性の影響が調べられておらず,解析方法を提案する必要があった.複雑系科学および制御工学の知見を駆使し,無秩序性の影響を解析する方法を提案した.また,解析の結果,適切な無秩序性が,協調動作の発生を促進するという直感的な理解とは異なる興味不快成果を得た.さらに,数値シミュレーションおよび電子回路を用いた実験によって,協調動作発生のための適切な無秩序性について詳細に調査検討した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの研究では,解析の容易さから,振動子や相互作用の無秩序性についてあまり考慮されてこなかった.また,無秩序性は,協調動作に悪影響を与えるもの(不要なもの)と考えられてきていた.しかし,本研究の成果は,無秩序性が協調動作の促進をするという,これまでの直感的な理解に反するものであり,学術的に興味深く様々な分野での検討が期待される.また,この成果は,世の中の無秩序性が含まれるシステムの協調動作の解析に役立つほか,工学システムにおいて協調動作をさせるときに,あえて無秩序性を加えるなどの新しい設計指針を与え得る.
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