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アンサンブル演奏におけるリズム協調機構の数理的解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K19883
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分61040:ソフトコンピューティング関連
研究機関弘前大学

研究代表者

紅林 亘  弘前大学, 理工学研究科, 助教 (70761211)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
キーワード認知科学 / 同期現象 / 数理モデリング / 感覚運動同期 / リズム協調 / 身体運動 / 振動子
研究開始時の研究の概要

本研究では、熟達した演奏者がテンポの加速を抑制するメカニズムの数理的解明を目指す。そのために、現象の数理モデル化と、このモデルに基づく機械学習手法の開発を行う。
加速抑制の仕組みが分かれば、テンポ制御の数理モデル化が可能になり、リズム協調メカニズムの解明のための最後のピースを埋めることができる。これにより、合奏、合唱の新たな練習法の開発が期待され、音楽が多くの人にとってより身近なものになると期待される。

研究実績の概要

人間がアンサンブル演奏や合唱をする際、複数人でリズムを同期させる必要がある。このとき自然に働いていると考えられる同期メカニズムについて、先行研究において確立され、この分野の多くの研究の基礎となっている代表的なモデルとして、Schulzeら(2005)やRepp & Keller (2008)などのモデルがあるが、これらのモデルではOkanoら(2017)の実験で報告された顕著なテンポ加速傾向を再現することができなかった。本研究では、これらの従来のモデルに自然かつ最低限の拡張を加えることで、テンポの加速傾向が再現されることを数値シミュレーションによって確認するとともに、このモデルを理論的に解析することによって、その詳細な数理的メカニズムを解明することができた。また、実験データから提案モデルのパラメータを推定するデータ分析手法を開発し、従来のモデルよりも提案モデルの方がよくデータを説明しうることを実証することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究計画では、人間を対象とする行動実験を実施し、その実験データからモデルのパラメータを推定し、個々人が持つさまざまな特性や傾向について議論することを予定していた。しかしながら、コロナウイルス感染対策のため行動実験の被験者を募集することが困難であったという理由から、未だ行動実験を実施することができずにいる。幸いにして、コロナウイルスの流行状況が大幅に改善したことから、今後は従来の計画通り研究を遂行したいと考えている。

今後の研究の推進方策

上述の通り、人間のリズム協調について、従来の確立されたモデルに自然な拡張を加えることで、従来のモデルでは説明できなかったOkanoら(2017)の実験結果を説明できることが示され、人間のリズム協調について、特にテンポの加速傾向についての学術的知見を深化することができた。今後、この内容を学術論文にまとめて論文誌に投稿するとともに、国内外の学会・国際会議の場で発表して社会に公表したいと考えている。また、人間を対象とする行動実験を実施し、その実験データからモデルのパラメータを推定し、個々人が持つさまざまな特性や傾向について議論することを予定している。この内容についても、学術論文にまとめて論文誌に投稿するとともに、国内外の学会・国際会議の場で発表して社会に公表したい。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Self-exciting negative binomial distribution process and critical properties of intensity distribution2023

    • 著者名/発表者名
      Kotaro Sakuraba, Wataru Kurebayashi, Masato Hisakado and Shintaro Mori
    • 雑誌名

      Evolutionary and Institutional Economics Review

      巻: 1 号: 2 ページ: 1-23

    • DOI

      10.1007/s40844-023-00261-z

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Phase reduction of strongly coupled limit-cycle oscillators2022

    • 著者名/発表者名
      Kurebayashi Wataru、Yamamoto Takuto、Shirasaka Sho、Nakao Hiroya
    • 雑誌名

      Physical Review Research

      巻: 4 号: 4 ページ: 1-8

    • DOI

      10.1103/physrevresearch.4.043176

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Asymptotic Phase and Amplitude for Classical and Semiclassical Stochastic Oscillators via Koopman Operator Theory2021

    • 著者名/発表者名
      Kato Yuzuru、Zhu Jinjie、Kurebayashi Wataru、Nakao Hiroya
    • 雑誌名

      Mathematics

      巻: 9 号: 18 ページ: 2188-2188

    • DOI

      10.3390/math9182188

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 協調タッピング課題の数理モデリングとパラメータ推定2024

    • 著者名/発表者名
      鈴木駿太、紅林亘、岡野真裕、進矢正宏、工藤和俊、中村雅之、齊藤玄敏
    • 学会等名
      情報処理学会 第139回音楽情報科学研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ヒトのリズム協調機構を解明するためのデータ分析手法の開発2024

    • 著者名/発表者名
      鈴木駿太、紅林亘、岡野真裕、進矢正宏、工藤和俊、中村雅之、齊藤玄敏
    • 学会等名
      日本機械学会 第54回 東北学生会 卒業研究発表講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] The Koopman Operator in Systems and Control: Concepts, Methodologies, and Applications2020

    • 著者名/発表者名
      S. Shirasaka, W. Kurebayashi and H. Nakao
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      Springer
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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