研究課題/領域番号 |
20K19906
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
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研究機関 | 早稲田大学 (2021-2022) 大阪大学 (2020) |
研究代表者 |
川上 愛 早稲田大学, 文学学術院, その他(招聘研究員) (70722007)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 悲しい音楽 / アンビバレント / 共感性 / 感情 |
研究開始時の研究の概要 |
人間を含む動物では、不快な刺激や感情を回避しようとする嫌悪動因が広く見られ、これは生存の確率を高める上で重要な役割を持つと考えられる。一方、人間の様々な行動で「不快さ」が欲求の対象となる例が散見される。例えば音楽鑑賞では、通常回避されるところの「悲しみ」を表現する音楽を人々が進んで聴取する。近年、この一見すると「不快な」刺激に対する選好が、人格的な特徴に関わる個人特性から検討されつつある。本研究課題では「嫌悪対象への選好形成に共通する基盤は存在するのか」を問いとして設定し検証する。
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研究実績の概要 |
悲しい音楽を聴取するという人間の行動は、自ら不快感情とされる悲しみを享受するという、一見すると相反する行動である。これについて、本研究では対象(音楽)が表現する感情と対象を享受するヒトが体験している感情を区別して捉え、それぞれを個別に測定することでこのアンビバレントな現象を追求することを目的としている。今年度は、昨年度文献調査により考察していたポーランド語の「ジャル(悲哀)」に関し、実際にポーランド在住のポーランド人を対象として、現地での実際の使われ方、人々がどういった状況で、どういう意味でこの言葉を用いているのかについて予備的な調査を行なった。ジャルというポーランド語は、他の言語では表すことができない概念を含んでいるようであるが、特に音楽との関連が深く、音楽聴取場面での「悲しみ」を明らかにする上では有意義な調査であった。 人を対象とした心理実験は、今年度も引き続き新型コロナウイルスによる影響で、感染拡大防止の観点から人を集めて実験に参加してもらうこと自体が難しく、特に本研究の実験では飛沫が飛ぶ恐れがある計画であったことから、特に注意を要するものであった。したがって、音楽聴取実験でこれまで使用してきた尺度の見直しを図るべく尺度に使用している形容語の検討を行った。具体的には、再度、感情を表すのに適した形容語を収集し、重複するものや不足するものの検討を他の研究者の意見も参考にしながら進め、英語の形容語についてはバックトランスレーションを行い、より精緻化した形容語尺度の作成に取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、今年度は人を対象とした心理実験を行う予定であったが、引き続き、新型コロナウイルスによる影響で、感染拡大防止のため人を集めて実験に参加してもらうこと自体が難しい状況であった。 特に、本研究の実験ではただ音楽を聴取するだけでなく、他の感覚器官の測定が想定されており、この測定は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からは厳しいものであった。そのため、実験実施が難しい状況であった。 代替案として、音楽に特有のポーランド語の「悲しみ」に関する調査及びこれまで音楽聴取の実験で使用してきた聴取者の感情を表す形容語尺度の精緻化に取り組んだ。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、今年度作成した尺度を用いて、人を対象とした心理実験を行う。 また、研究代表者には海外の学術雑誌から特集号の論文執筆の依頼が来ていることから、これまでに悲しい音楽に関する文献資料をまとめた論考を執筆し、投稿する予定である。
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