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自他分離を起点とした社会的感情の分化への構成的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 20K19907
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分61060:感性情報学関連
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

日永田 智絵  奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (70807388)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 交付 (2021年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード社会的感情 / 感情モデル / Social Emotion / Emotion model / 自他分離 / ヒューマンロボットインタラクション / 構成論的アプローチ
研究開始時の研究の概要

近年の情報・工学分野における感情研究では,喜怒哀楽などの基本感情は扱えているが,恥ずかしいや罪悪感などの社会的感情はその難しさ故に扱いきれていない.本研究では心理学や神経科学で提案される感情の概念モデルを基に,計算機上で感情の計算モデルを構築し,ロボットなどの人工物での社会的感情の実現を目指す.社会的感情は社会的環境に大きな影響を受ける.環境には自分と同等の思考能力や内部環境を有する他者の存在があり,自他の分離が基本的感情から社会的感情への発達のキーとなっていると考えられる.本研究では自他の分離を仮定し,計算モデルでのシミュレーションを通して,人工物の感情空間の内に社会的感情を創発させる.

研究実績の概要

近年の情報・工学分野における感情研究では,喜怒哀楽などの基本感情は扱えているが,恥ずかしいや罪悪感などの社会的感情はその難しさ故に扱いきれていない.本研究では心理学や神経科学で提案される感情の概念モデルを基に,計算機上で感情の計算モデルを構築し,ロボットなどの人工物での社会的感情の実現を目指す.社会的感情は社会的環境に大きな影響を受ける.環境には自分と同等の思考能力や内部環境を有する他者の存在があり,自他の分離が基本的感情から社会的感情への発達のキーとなっていると考えられる.本研究では自他の分離を仮定し,人工物の感情空間が複雑化していく様子をシミュレーションし,恥や罪悪感,嫉妬などの社会的感情を人工物の感情空間の中に創発させることを目的としている.
当該年度は前年度から引き続いて先行研究での問題点等の洗い出しならびに社会的感情の文献調査を行い,その結果を学術雑誌へ投稿し採択された.また,前年度COVID-19の影響もあり,自粛していた被験者実験を実施した.本実験は成人を対象としたインタラクション実験となっているため,厳密には幼児からの発達を対象とはしていないが,社会的な文脈により恥などの感情概念について身体内部の感覚である内受容感覚や外受容感覚の共起関係を得ることが期待できる.現在,本データを用いて,モデルの学習を行っている.当該年度はその他に学術雑誌1件,書籍1件,解説記事1件,国内学会1件,招待講演3件,メディア出演4件を行った.また,感情をテーマにしたワークショップ「感情のかけ橋シンポジウム2022」も企画運営した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度は前年度実施できなかった被験者実験を実施できたとともに,前年度から実施していた実装のための先行研究での問題点等の洗い出しならびに社会的感情の文献調査の結果を論文としてまとめ,投稿,採録された.以上の理由で前年度課題としていた点に関しておおむね達成できたといえる.

今後の研究の推進方策

今後の推進方策としては,被験者実験のデータを用いて,モデル学習を行い検証を進めていく.社会的感情を扱うロボット研究は数が少なく,基本的感情と区別して扱っているロボット研究は調査の結果見つからなかった.すなわち,ロボットのための社会的感情モデルの構築は新規性のある課題である.したがって,既存のロボットシステムとの比較は十分に行えないため,心理学的知見のシミュレーションを行い,モデルの妥当性を示した上で,インタラクション実験のためにロボットおよびagentへの実装を行う.

報告書

(2件)
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書

研究成果

(11件)

すべて 2022 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] Survey and perspective on social emotions in robotics2022

    • 著者名/発表者名
      Hieida Chie、Nagai Takayuki
    • 雑誌名

      Advanced Robotics

      巻: 36 ページ: 17-32

    • DOI

      10.1080/01691864.2021.2012512

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 《第30回》感情メカニズム解明に向けた構成論的アプローチ2021

    • 著者名/発表者名
      日永田 智絵
    • 雑誌名

      計測と制御

      巻: 60 号: 6 ページ: 405-406

    • DOI

      10.11499/sicejl.60.405

    • NAID

      130008053529

    • ISSN
      0453-4662, 1883-8170
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Deep Emotion:感情理解へ向けた深層感情モデルの開発2021

    • 著者名/発表者名
      日永田 智絵
    • 雑誌名

      人工知能

      巻: 36 号: 1 ページ: 43-50

    • DOI

      10.11517/jjsai.36.1_43

    • NAID

      130007965651

    • ISSN
      2188-2266, 2435-8614
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] Study for the exploration-exploitation strategy of human based on restless two-armed bandit task2022

    • 著者名/発表者名
      Jiaxing Tian, Chie Hieida, Junichiro Yoshimoto, Kenta Kimura, Hideki Ohira and Kazushi Ikeda
    • 学会等名
      情報処理学会全国大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] マルチモーダル感情喚起推定とASMR動画解析への応用2020

    • 著者名/発表者名
      于楊, 日永田智絵, 堀井隆斗, 長井隆行
    • 学会等名
      人工知能学会全国大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 感情とAI ~感情の理解に向けた構成論的アプローチ~2020

    • 著者名/発表者名
      日永田智絵
    • 学会等名
      第9回脳科学若手の会・関西部会セミナー『感情研究のフロンティア』
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] 第7章 第1節 機械学習を用いた感情のモデリング, 人工知能を用いた五感・認知機能の可視化とメカニズム解明2021

    • 著者名/発表者名
      日永田智絵
    • 出版者
      技術情報協会
    • ISBN
      9784861048494
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 「ヒトの感性・認知」解析への 人工知能の活用とモデリング2021

    • 著者名/発表者名
      日永田智絵 他
    • 出版者
      技術情報協会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [備考] 日永田智絵HP

    • URL

      https://www.hieida.com/

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [備考] 日永田智絵個人HP

    • URL

      https://www.hieida.com/

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [備考] 日永田智絵researchmap

    • URL

      https://researchmap.jp/hieida

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2020-04-28   更新日: 2022-12-28  

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