研究課題/領域番号 |
20K19926
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
|
研究機関 | 長岡工業高等専門学校 |
研究代表者 |
和久井 直樹 長岡工業高等専門学校, 電気電子システム工学科, 准教授 (80786038)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 環状ペプチド / 特殊アミノ酸 / アルブミン / 血漿タンパク質結合率 / 分子動力学シミュレーション / ペプチド創薬 / ドラッグデリバリー |
研究開始時の研究の概要 |
環状ペプチドのアルブミン結合能の低さは環状ペプチドを医薬品として仕上げる際に問題となっている。しかし、環状ペプチドのアルブミンへの結合能を改善するための解決策は未だに提案されていない。本研究ではアルブミンへの結合を促進する特殊アミノ酸が存在するかどうかを、Protein Data Bankに登録されている94種類のアルブミンと化合物の複合体構造およびナミキ商事が提供している27,889種類の特殊アミノ酸ライブラリを解析対象とし、①分子動力学シミュレーション、②相互作用解析、③環状ペプチド合成、④アルブミン結合能アッセイ、を通して明らかにする。
|
研究成果の概要 |
アルブミンと環状ペプチド医薬品として上市されているダルババンシンの複合体構造を世界で初めて明らかにし、ダルババンシンが有する炭化水素鎖および環構造の両方が複合体形成において重要な役割を果たしていることを明らかにした。また、Protein Data Bankに登録されているアルブミンと化合物の複合体構造を対象に、アルブミンに結合する化合物の物理化学的特徴をアルブミンの結合部位ごとに整理した。さらに、チロシン残基を特殊アミノ酸に置換した環状ペプチドの血漿タンパク質結合率を調査した。チロシン残基を特殊アミノ酸に置換することで血漿タンパク質結合率が改善する場合があることを見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新たな創薬モダリティとして注目を集める環状ペプチドであるが、薬物動態に大きな影響を与えるアルブミンとの結合様式はわかっていなかった。本研究で明らかにしたアルブミンとダルババンシンの複合体構造はアルブミンと環状ペプチドの結合様式に関する知見を与えたという点で学術的意義がある。また、環状ペプチドのチロシン残基を特殊アミノ酸に置換することで血漿タンパク質結合率が改善する可能性を見出したことは、今後の環状ペプチド医薬品開発に重要な知見を与えるものである。これらの成果は、効果的な薬物動態プロファイルを有する環状ペプチド医薬品の設計に寄与することが期待される。
|