研究課題/領域番号 |
20K19968
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
磯野 真由 名古屋大学, 環境医学研究所, 客員研究者 (90713511)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | RNAポリメラーゼⅡ / DNA二本鎖切断修復 / ユビキチン化 / RNAポリメラーゼ / DNA二本鎖切断 / 転写 / DNA修復 |
研究開始時の研究の概要 |
転写領域におけるPol IIの停滞やRNA:DNAハイブリッド構造(R-loop)の蓄積はゲノムの不安定性を誘発し、発がんや難治性神経変性疾患につながることを示唆する報告がある。ゲノムの不安定化はDNA損傷応答・修復機構に障害があると誘発される。また、Pol IIが内因性のDNA二本鎖切断(DSB)の誘発に寄与することは示されている。しかしながら、転写領域のDSB修復の分子機構の詳細は明らかにされていない。Pol IIのDSB修復経路への関与と役割について明らかにすることによって、上記で示すような病態解明の一助になると考えている。
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研究実績の概要 |
DNA修復機構やDNA損傷応答の異常はゲノム不安定化に起因する。これまでに、真核生物における転写領域でのRNAポリメラーゼII(Pol II)の停滞はゲノム不安定性に関与することが報告されている。また、Pol IIが内因性のDNA二本鎖切断(DSB)の誘発に関与することも報告されている。しかし、転写領域でのPol IIとDSB修復との関係性について、詳細は明らかになっていない。本研究では、転写領域のDSB修復に対するPol IIの関与について明らかにすることを目的とした。 まず、DSB修復関連タンパク質とPol IIとの相互作用について検討を行った。カンプトテシン(CPT)処理後の細胞を用いて、Pol II抗体による免疫沈降(IP)を行い、DSB修復関連タンパク質抗体の検出を試みた。その結果、幾つかのDSB修復関連タンパク質がPol IIと相互作用することを確認した。 また、既報の転写共役型修復時に見られるPol IIのユビキチン化が、今回の状況でも生じるのか、上記IPを行い、Pol IIのバンドシフトを指標に検討した。CPT処理によって、Pol IIのバンドシフトが検出された。また、ユビキチン抗体を検出する実験からも、損傷依存的にPol IIのユビキチン化が起こることを明らかにした。 さらに、相互作用に関与するユビキチンリガーゼの同定を試みた。ユビキチンリガーゼの発現抑制または欠損細胞を作成し、上記のIPを行った。その結果、あるユビキチンリガーゼの発現抑制または欠損により、Pol IIのユビキチン化の抑制、並びにPol IIとDSB修復関連タンパク質との相互作用の低下を確認した。 以上の結果から、転写領域におけるDSB修復にはPol IIが関与しており、Pol IIのユビキチン化を介してDSB修復タンパク質が動員されることを示唆した。(未発表の為、タンパク質名は伏せた。)
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