研究課題/領域番号 |
20K19969
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
神長 輝一 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学研究所, 研究員 (90825176)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 蛍光ナノダイヤモンド / 細胞内温度 / 放射線影響 / DNA損傷修復 / DNA損傷 / DNA損傷応答 / 光検出磁気共鳴 / ナノダイヤモンド |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、電離放射線が誘発するDNA損傷およびミトコンドリア損傷に起因する、ATP加水分解の亢進と、ミトコンドリア脱共役による温度およびpHの経時変化、そしてその生物学的意義の解明を目指すものである。本研究の特色は、細胞内の温度、pHという物理・化学的要因に着目し、その計測のため量子センサーの一種である蛍光ナノダイヤモンドを用いることである。本研究で得られる知見は、放射線を含む外部ストレスに対する温度、pH変化を介した細胞恒常性維持機構の解明に貢献できると期待される。
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研究成果の概要 |
温度とpHは、細胞内のタンパク質活性や化学反応速度を変化させる要因であり、微小な変化もシグナルネットワークを介した細胞の恒常性維持に影響を与える。一方、電離放射線はDNAおよびオルガネラに様々な損傷を誘発するが、その影響の一つとして、細胞内の温度およびpH変化を誘発する可能性があると考えられる。本研究では量子センサーの一種である蛍光ナノダイヤモンドを用いてX線照射後の細胞内温度計測により、がん、および正常細胞においてX戦照射1時間後に細胞内温度計測が上昇すること、正常細胞においてはこの温度上昇が一週間後においても持続している可能性を示唆する結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで放射線による細胞影響研究において温度やpHなど物理化学的パラメーターを指標とした検討は前例が少なく、本研究は新たな側面からの放射線影響解明にアプローチしており、これまでにない新規知見を得られると期待される。また、近年、腫瘍内微小環境における温度、pHの重要性も明らかになりつつあり、本研究を拡大することで発がんメカニズムの解明、がん治療の高度化に寄与できると考えられる。
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