研究課題/領域番号 |
20K19980
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63040:環境影響評価関連
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研究機関 | 早稲田大学 (2021) 国立研究開発法人産業技術総合研究所 (2020) |
研究代表者 |
西川 洋平 早稲田大学, ナノ・ライフ創新研究機構, 次席研究員(研究院講師) (90867277)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | シングルセル / 全ゲノム解析 / 薬剤耐性遺伝子 / 環境微生物 / マイクロ流体デバイス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、単一細胞(シングルセル)全ゲノム解析という独自の技術を薬剤耐性遺伝子の解析に取り入れることにより、河川に生息する薬剤耐性菌の全ゲノム情報をシングルセルレベルで網羅的に取得し、「どの細菌が」「どのような機序で」「どの程度の割合で」薬剤耐性遺伝子を獲得しているのか、時間的・地理的な視点を含めて明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
多摩川流域の7地点から河川水の採取を2回行い、メタゲノムおよびシングルセルゲノム解析を実施した。前者では、多摩川の上流から下流にかけて細菌叢が連続的に変化することを示すとともに、各地点における薬剤耐性遺伝子(Antibiotic Resistance Genes: ARG)の分布を明らかにした。後者では、26門329属にわたる3345個の1細胞由来ゲノム情報を獲得し、ARGの種類と保有細菌の系統を紐付けた解析によって、新規および難培養の細菌系統からARGを検出した。また、異なる細菌系統間で共通して検出される19種のARGを同定し、プラスミド等を介した水平伝播の可能性を評価した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、河川水中のARGの分布・伝播の評価において、1細胞レベルでのゲノム解析が有用であることが示唆された。個々の細胞のゲノム情報を詳細に解析することにより、メタゲノム由来の配列からは検出が難しいARGが検出可能であることが明らかとなった。また本技術では、ARG保有細菌の割合評価や、多種類のARGを保有する細菌系統の同定に応用が可能であり、対象地点の環境パラメータを合わせて取得することで、環境のリスク評価にも適用できると考えられる。さらに今後は、1細胞ゲノム解析技術とロングリードシーケンサ等の技術を組み合わせることにより、より詳細なARGの伝播解析が可能になると考えられる。
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