研究課題/領域番号 |
20K19985
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
王 斉 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 特任助教 (60811685)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 多環芳香族炭化水素類(PAHs) / ハロゲン化多環芳香族炭化水素類(XPAHs) / 環境挙動 / 有害性評価 / 代謝物 / PAHsの水酸化誘導体 / ハロゲン化多環芳香族炭化水素類 |
研究開始時の研究の概要 |
高リスク環境汚染物質である多環芳香族炭化水素類(PAHs)と塩素化PAHs(ClPAHs)は、様々な環境試料から広く検出されるが、環境挙動や毒性等に関して未だ解明されていない。これらの物質は生体内で代謝され、水酸化体(OH-PAHs、OH-ClPAHs)等になり、有害性が高まる可能性が考えられる。本研究では、OH-PAHsとOH-ClPAHsに着目し、その前駆物質であるPAHsとClPAHs等を含めて、有害性と環境挙動を明らかにする。本研究の調査結果は環境リスク初期評価の基礎データになり得る。
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研究成果の概要 |
本研究では、合計72種類の多環芳香族炭化水素類(PAHs)とハロゲン化PAHsを対象物質として、高感度分析法を開発した。また、世界中においても大気が最も汚染されている地域の一つであるバングラデシュ、および日本を調査地域として、粒子状のPAHsとハロゲン化PAHsの汚染実態を調査し、発生源解析を行った。そのうえで、これらの汚染物質への曝露によるヒトの発がんリスクを評価した。さらに、塩素化PAHsの主要異性体である1-Chloropyreneの代謝物の標準物質を新規合成し、数種類のPAHs、塩素化PAHs、とそれらの代謝物に対して、in vitro試験による毒性の評価を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
既往研究と比べてより多くの種類のPAHs・ハロゲン化PAHsを網羅的に分析し、大気中における低濃度域まで汚染実態を解明したことから、これらの汚染物質に対してより高精度のリスク評価ができ、リスクベース管理の促進への貢献が期待される。また、新規合成した標準物質を用いて、in vitro試験を実施したことにより、PAHsとハロゲン化PAHsの水酸化物の毒性情報を更新し、PAHsとハロゲン化PAHsだけではなく、その代謝物を含めて包括的な評価の基礎情報となる。
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